続・カップラーメンをどこまで豪華に撮影できるか試してみた!【昭和レトロ編】
食べたものを撮影してSNSで公開する人は多いが、写真がヘタだとマズそうに見えてしまい、 その人の生活イメージを損ねてしまうこともある。 という事で、食べ物の撮影術を紹介した記事「カップラーメンをどこまで豪華に撮影できるか試してみた!」は話題になった。


今回はその続編で、撮影するのは、2月1日発売の『ジェーカップ』というカップラーメンだ。 最初の発売は40年前の1974年で、それまで常識とされていたフォークの添付をやめて85円という低価格を実現したそうだ。今回、トップバリュのプライベートブランド40周年を記念し、第一号商品であるこの『ジェーカップ』が装い新たに新登場した。なので価格も85円、激安である。


パッケージはポップな色と可愛いデザインである。パッケージコンセプトは『一緒に食べよう!ジェーカップ』だ。

今回はこの可愛いパッケージのカップラーメンを、初代『ジェーカップ』が発売された40年前に思いをはせて、昭和レトロ風に撮影してみたいと思う。それに、三丁目の夕日が証明して見せたように、レトロは人の心を掴むのだ。レトロと未来のコラボレーションこそ注目を集めるに違いない!という下心である。

懐かしの給食風カップラーメン

小学校を卒業して四半世紀も経つと、『給食=懐かしい』になる。レトロ感を演出するにあたってアルマイトの食器を用意した。今時の給食はメラミン食器が使われているらしいが、筆者が子供の頃はアルマイトの食器が使われていた。落としても割れないし、軽いのが学校給食に向いていたのだろう。


メニューも給食っぽく組み立ててみた。牛乳、6Pチーズ、揚げパン、フライとキャベツ、半分に切ったみかん。フライの中身は各自想像して欲しい。昭和40年代以前ならクジラだろうか。50年代以降だと普通にメンチカツやコロッケだろう。

牛乳パックも世代によって様々だろう。瓶だったり三角パックだったり、脱脂粉乳だったり。筆者の頃は普通の200ml紙パックだった。揚げパンはそんなに食べた覚えが無く、コッペパン、食パン、あと米飯給食が多かった。給食ネタは年代や地域で差が大きいので話が尽きない。

さて、この懐かし給食にジェーカップを組み込むとこうなる。

完全に馴染んでおり、どう見ても給食である。脳内の校内放送のスピーカーからポール・モーリア『エーゲ海の真珠』が聞えてくる。ただ、ここまで用意するのに時間が凄くかかったので、麺が汁を吸って焼きそばのようになってしまった。

とりしお味のジェーカップ、具は鶏肉の団子と玉子、キャベツ、だ。肉団子を噛むと鶏肉エキスがジュワっとしみ出してくる。スープは黒胡椒とが効いたピリ辛塩味。麺は細いがコシがあり、ザクザクした歯ごたえが心地良い。そういや給食では、コシなんて概念が全く存在しないソフト麺ってのがあった。

先割れスプーンは麺も具もスープも食べやすい。よく出来ている。

さて、食器のおかげでパッと見は給食だが、レトロ感には欠ける気がする。なぜかといえば鮮明に撮れすぎているからだ。現代のカメラは高性能すぎる。もっとこう、写りが悪い方がレトロっぽく見えるだろう。

ならば、これならどうだろうか?

ボヤッとした感じがレトロっぽい。昔のカメラで撮ったような写りだ。こういう写真、昔のアルバムに貼ってあるだろう。


「この、写りが悪い感じが逆に良い」とは何十年にもわたるカメラメーカーの努力を台無しにするような発言である。カメラメーカーの皆さんごめんなさい。ではどうやって撮ったかというと、ピンホールレンズを使った。

ピンホールレンズってこんなレンズです

ピンホールレンズと言っても大した物ではない。一眼レフカメラのボディーキャップ(500円くらい)に穴を開けただけの簡単な仕組みだ。

ピンホールレンズの作り方
1. ボディーキャップの真ん中にドリルで穴を開ける。
2. 空き缶を切って1辺3cmくらいの板を作る。
3. 板の真ん中にまち針でごく小さな穴を開ける。
4. 紙やすりでバリを削り、板の裏を黒く塗る。
5. ボディーキャップの穴の中心に板の穴が来るようにしてボディーキャップの裏に貼る。
完成!


ボディーキャップの真ん中に小さな穴が開いているのが判るだろうか?Canonのnのとこだ。撮影用の穴は空き缶の板に小さく開けてある。光にかざすと小さな穴が見えるだろう。こんな穴で写真が撮れるのである。不思議だねー。


カメラに付けるとこんな感じになる。見た目はレンズを外したカメラそのものであり、これで写真を撮れるようには見えない。

でも写るのだ。レンズってただの穴で良かったのだ。高いレンズなんて買う必要なんてない。全国のカメラ好きの夫を持つ奥様は、夫が『新しいレンズが欲しい』とか言いだしたらピンホールレンズを作ってあげてください。

最近のカメラは感度を上げてもそんなにノイズが出ないので、ホレこの通り、案外綺麗に写るのだ。

500円のピンホールレンズを使うだけで、カメラ女子が好みそうな、トイカメラっぽいレトロな写りになる。リーズナブルである。

更に昭和っぽい写真を撮る

ピンホールレンズを使って、更に古い時代っぽい写真を撮ってみた。昭和30年代〜40年代前半のイメージである。

白黒にすると、もう完全に昭和だろう。しょう油差しや湯飲み、イワシの丸干しなどが昭和を感じさせる。昭和の食卓に混ざる復刻版ジェーカップは、ほとんどオーパーツである。そこだけ21世紀のデザインだ。