『消費税増税法案』に端を発した政局に、今や政界は大混乱。その最中に、民主党の有田芳生参院議員が激白した。ジャーナリストでもある同氏によれば、一部週刊誌で報じられた「小沢和子夫人の離縁状」は巧妙な怪文書。政変を見据えた“小沢潰し”の思惑が、見え隠れしているというのだ。

 −−有田さんは、報じられた小沢一郎夫人の離縁状が「怪文書である」と指摘されていますね。
 「ええ、私は手紙は明らかな怪文書だと見ていますし、『週刊文春』がこれを報じてからは、ツイッターで見解も書いています。根拠はいくつもある。20年来、夫人と付き合いのある方から頂いた小沢和子夫人が記した手紙と見比べてみると、署名や文面の筆跡がことごとく相違している。
 筆跡鑑定が一致したと報じる週刊誌もありますが、仮に代筆屋が書いた手紙と手紙を照合しても意味はないでしょう。問題の本質は書かれた内容の真偽です。記事には、『放射能が怖くなって3月25日に京都へ逃げた』(趣意)などと書かれている。しかし、この日小沢さんは確実に東京にいたし、裏取りをすれば明らかに嘘だとわかる記述がある。つまり、虚実が折り混ぜられているのです。
 一昔前の『週刊文春』なら『こうした怪文書を入手した』『その真相は!?』と報じたはず。問題はこれを大新聞が事実だと報じ、立花隆さんをはじめ、著名ジャーナリストたちも、当事者への確認作業すら怠っていること。仕掛け人はわからないが、小沢一郎潰しがメディアスクラムで行われたとも取れるのです」

 −−手紙を怪文書と指摘したことで、周囲のリアクションは?
 「民主党議員からも多くの問い合わせが来ています。また、創価学会の某幹部からは『週刊文春の記事を注目せよ、と婦人部に指示が出た』と伝えられました。『消費税増税法案に反対する小沢は、こんなスキャンダルを抱えている』と徹底するのが狙いなんでしょう」

 −−もはや、翼賛的な“小沢潰し”が行われているようにも見えますが…。
 「問題は、民主、自民、公明の『反小沢派』と検察が、今までさまざまな方法で小沢氏の悪いイメージを作ってきたという事実です。たとえば、検察は政治家と秘書との関係を『ヤクザ』と『弟子』のように描くことで小沢氏を追い込もうとした。さらに、素人である東京第5検察審査会を使ってゴリ押しの起訴をさせている。『小沢一郎がやることは、全て悪いこと』というイメージをさまざまな組織が植え付けてきたのです。
 実際、これが功を奏したのか、消費税反対の国民が多いのに、メディアの世論調査では小沢氏の行動は支持されていない。そこに持ってきて、和子夫人の手紙です。『週刊文春』はいつもの読者に加えて婦人層を中心とした購入者が多く、この号が完売したが、いかがなものか」

 −−その小沢氏の新党結成話や増税派の綱引きで、参院審議も大混乱を招きそうですが、有田さんはどうするつもりですか?
 「今月から審議入りしますが、私はためらうことなく反対票を投じます。理由は理論上デフレ下で消費税を上げることは、絶対に日本のためにならないからです。もう一つは、党内議論が強引すぎる。この法案は日本の今後を決める重要な法案。2014年に上げるにしても、まだ2年あります。社会福祉の具体的なイメージ、医療・介護・福祉にはこれだけのものが必要で、そのために消費税を上げて集まった金をこちらに使うんだと、そういう行き届いた説明がほとんど無いんですよ。私はもし消費税を上げるのなら、全てを地方財源にする仕組みを作るべきだと思っています」