「部下のパフォーマンスや能力を正しく測定・採点することが、評価において最も大事だ」と思っていなら、それは間違いだ。

新任のマネジャーや初級管理職の研修には、必ず「評価」というテーマがある。それまでは評価される側だった人が、昇進して部下を評価する側に回るのだから、間違いのないよう評価の原則やスキルを学んでもらおうという目的である。

テキストには、「先入観を排し、事実に基づいて評価する」「成果と能力と行動(働きぶり)を混同せず、分けて評価をする」「評価の結果だけでなく、プロセスや根拠についてもしっかり説明する」といった原則が書いてある。ハロー効果や親近効果など、陥りやすい評価のエラーなども定番だ。そして、ケースがあってそれを評価してみよう、皆ですり合わせてみようという流れで進んでいく。

いつも思うのは、このような内容であれば“評価者研修”ではなく、“審査員研修”ではないかということだ。審査員とは、コンテストなどで出場者のパフォーマンスや出品された作品に点数をつけるエライ人達。ほとんどの評価者研修は、点数の付け方や、点数をつける際のコツや注意点を学ぶことが中心テーマになっているので、それは“審査”だろうと思う。

評価者は、決して“審査員”になってはならない。「部下のパフォーマンスや能力を正しく測定・採点することが大事だ(それが評価において最も大切なことだ)」などと思っているとするなら、それは間違いだ。


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