現代風立ち飲み屋はオイシイ商売か?/金森 努
秋葉原にある高架下の、フードが缶詰だけというバーの話。と聞けば、「ああ、立ち飲みね」と思われるかもしれない。確かに個人商店の立ち飲み屋の基本形ではある。だが、40種類もメニュー(缶詰)があるのが特徴だ。同店は「缶’sBar」という屋号で今年1月にスタートしたという。(4月2日付日経MJより)
同店を運営しているのは個人商店ではない。株式会社日本レストランエンタプライズ。通称、NRE。各駅の駅構内での駅弁の販売や駅そば店などの営業なども手がけているが、メイン業務は新幹線や特急列車での車内販売を展開している。同NREの社内ベンチャーとして出店したのだ。
商品のラインナップを考えるときには、通常「幅(商品カテゴリ)」と「深さ(アイテム数の多さ)」で考える。幅が広ければ、より多くの顧客ニーズにマッチし、深さがあればその魅力度を増すことができる。
「缶’sBar」の特徴は、幅を「缶詰」だけに絞り込んで、深さを40種類も増やしたことだ。幅の狭さは専門店なら珍しくはない。ラーメン屋はチャーハンなどの飯モノを扱う程度だし、そば屋もうどんもありますよ的な展開ぐらいに絞っている。しかし、40種類も用意はしていない。
ナゼか。飲食店のバリューチェーン(VC)を考えればすぐにわかる。「食材の調達」→「保管」→「調理」→「配膳・下膳」→「廃棄」だ。最後の「廃棄」は料理の残滓だけではなく、調理されずに鮮度の悪くなった食材も含まれる。つまり、「缶’sBar」は缶詰故に、食材の廃棄リスクが極めて低いのである。
VCを見てもう1つ気付くだろう。「保管」は全て常温保存可能だ。また、「調理」は缶を開けるだけ。つまり、VCが極めてシンプルなのである。
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同店を運営しているのは個人商店ではない。株式会社日本レストランエンタプライズ。通称、NRE。各駅の駅構内での駅弁の販売や駅そば店などの営業なども手がけているが、メイン業務は新幹線や特急列車での車内販売を展開している。同NREの社内ベンチャーとして出店したのだ。
「缶’sBar」の特徴は、幅を「缶詰」だけに絞り込んで、深さを40種類も増やしたことだ。幅の狭さは専門店なら珍しくはない。ラーメン屋はチャーハンなどの飯モノを扱う程度だし、そば屋もうどんもありますよ的な展開ぐらいに絞っている。しかし、40種類も用意はしていない。
ナゼか。飲食店のバリューチェーン(VC)を考えればすぐにわかる。「食材の調達」→「保管」→「調理」→「配膳・下膳」→「廃棄」だ。最後の「廃棄」は料理の残滓だけではなく、調理されずに鮮度の悪くなった食材も含まれる。つまり、「缶’sBar」は缶詰故に、食材の廃棄リスクが極めて低いのである。
VCを見てもう1つ気付くだろう。「保管」は全て常温保存可能だ。また、「調理」は缶を開けるだけ。つまり、VCが極めてシンプルなのである。
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