結婚式の準備から始まり、当日の式の模様をFacebookで公開。結婚式の魅力を発信するのだ。

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今から書く話は実話なのだが、ウチの姉は結婚をしたことが事後報告だった。しかも本人からではなく、共通の知人を介して。それを回りまわって耳にした母親が、ようやく姉に「結婚したんだって?」と言葉をかけると、リアクションとして返って来たのが「関係ないでしょ!?」。
いきなりキレ出す姉と、声をかけただけでキレられる母親がよくわからない。身内ながら、何なんだあの母子は……。

ウチの姉は極端なサンプルだと思うが、確かに結婚の事後報告を友人から受けることは稀にある。「結婚式、呼んでくれなかったの!?」、「いや、式挙げてないんだよ」というやり取り、現代では珍しくないのかも。

しかし、結婚式といえば人生でも有数の晴れ舞台。挙げれば、忘れられない思い出になること必至だと思うのだ。
そんな唯一無二の魅力を発信する企画がある。株式会社テイクアンドキヴ・ニーズが起ち上げたのは「Social One Heart Wedding 〜心がひとつになる瞬間〜」なるプロジェクト。

この内容が、実に面白い。そして、もしかしたら“今”という時代を物凄く反映した企画かもしれない。
同社では、“海を越えた遠距離恋愛”や“家族とは何年も口をきいていない”など、結婚が容易ではなく、だからこそ強い愛の絆で結ばれたカップルを2月1日より募集している。その中で選ばれた2組のカップルには、同社のウェディングプランナーのプロデュースによる500万円相当の結婚式がプレゼントされるというのだ。

ただ、それだけではない。同企画では結婚式の準備から当日までに乗り越えるべき「結婚式までの10ヵ条」が設定されており、カップル2人がそれらを乗り越える様子をFacebook上で公開しなければならない。これが、「Social One Heart Wedding 〜心がひとつになる瞬間〜」に参加する条件である。

それにしても、壮大なプロジェクトではないか。人生の一大行事を追った、紛れもないドキュメント。そこで同社に、この企画開始のきっかけについて伺ってみた。
「最近は『ナシ婚』と呼ばれる、結婚式を挙げないカップルが増えております。それどころか結婚に魅力を感じていない人も増えているようです。そこで、多くの人に結婚式の魅力を知ってもらいたいと当社は考えました」(同社・担当者)
式に至る過程をFacebookで公開することにより、同時に結婚式の魅力も発信することになる。パソコン上で2人の姿を見た多くの人が「結婚式っていいもんだな」と気付いてくれれば……、そんな風に同社は願っているのだ。

カップルの募集については同企画のエントリーページにて受け付けられており、現時点(2月10日現在)で約50組からの応募が寄せられているそう。
そこで気になるのが「一体、どんなカップルが応募しているのか?」という点。多くの人から祝福してもらえる等のメリットはあるものの、ここまで自分たちをさらけ出すのは勇気も必要だと思うわけで……。
「まず印象深かったのは、Facebook上で知り合ったカップルからのご応募です。ご両親が海外にいるそうで、『出席できない親族にも見てもらいたい』という理由からのエントリーでした。他に、震災で式を挙げられなかったカップルからのご応募も頂いております。『ちゃんと、もう一回式を挙げたい』というお気持ちのご夫婦が多いようです」(担当者)
当然、「お金が無い」という理由での応募も多いようだ。やはり、今の時代を反映しているな……。

そんな、この“結婚式ドキュメント”。流れとしては、今年の3月にカップルが選考される。そして4〜6月に「どんな式にするか?」が決まっていき、7〜8月にいよいよ結婚式を開催。
当然ではあるが、式に至るまで長いスパンではないか。当然、見ている側も思い入れが深くなるに違いない。これは、結婚式の魅力を発信するためのプロジェクトである。

そして、今後の展開について。
「反響次第ではありますが、このプロジェクトは継続的に行っていきたいと考えております」(担当者)
「Social One Heart Wedding 〜心がひとつになる瞬間〜」がきっかけとなり、現代の結婚式事情が変わるか!?

独身の私からすると、本当に見逃せない。
(寺西ジャジューカ)