サンタの格好でゴミ拾い。
(撮影:朝岡英輔)

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仮装しながらゴミ拾いする、というイベントがあると聞いて、昨年11月20日、東京・中野に行ってきた。

受付会場の中野区役所に着くやいなや、臙脂色(えんじいろ)の服に金ボタンを付けた男性が物々しい様子で現れた。"フランスの英雄、ナポレオン!?"そんなフレーズが私の頭をよぎる。
「今回のスポーツゴミ拾いは中野区と共催で、特別ルールとして、仮装も可なんです!」(TOPIC 石垣さん)
ナポレオンジャケットをひらつかせ、そう語るのは、このイベントの主催団体TOPICの一人、石垣さん。この日は前回コネタ取材したスポーツゴミ拾いの続編なのだ。
まわりを見回すと、普通の服を着た参加者たちに混じって、サッカー選手のリオネル・メッシさんや俳優の松田優作さんなどに仮装した人たちがおり、まるで仮装大賞の審査員席を見ているような気分。
そんな中、開会式が始まり、ナポレオンによるルール説明のあと、ついにゴミ拾いがスタートした。

制限時間は1時間。1チーム5人の計15チームが地図を頼りにゴールの新井薬師公園を目指す。私たちコネタ取材班はサンタクロースとトナカイの格好をした"Aチーム"に密着させてもらうことになった。

「人通りの多いサンモール商店街を攻めましょう!」(Aチーム 岡島さん)
商店街を歩きながら、元気にゴミを拾うサンタたち。
"普段はしない"という仮装に楽しそうな皆さんだが、サンタの集団がゴミを求めてビルの隙間に顔を埋めている姿はどこか不気味なインパクト。中には植え込みのゴミを果敢に拾い、ストッキングが汚れてしまったメンバーもおり、勝負にかける参加者たちの強い気迫を感じた。

夢中で拾うこと1時間、私たちAチームは無事、ゴールの新井薬師公園に到着。他のチームも続々と到着し、スタッフによる計量および集計の後、ついに結果の発表となった!
1位は眩しい笑顔のパラオ人、アンドリューさん擁する国際交流団体の皆さん。2位は中野のフットサルチーム"デル・ソーレ"の皆さん。身体能力の高さが如実に結果に現れた大会となった。
残念ながら仮装チームは上位には食い込めなかったが、皆さん満足した表情で会場を去っていった。

そんなわけで、今回も大成功に終わったスポーツゴミ拾い。その一部始終を見ていた一人の老人男性がいた。
「みんな、たいしたもんだね。いろんな格好してね、ゴミを拾って立派ですよ!!」(矢崎さん 79歳)
近所に住み、毎日この公園に通っているという矢崎さんは非常に感心した様子。彼は有名な諺になぞらえ、こう締めくくった。
「いいですか、つまりこういうことです、"捨てる人あれば、拾う人あり!"」

仮装してても、してなくても、見ている人まで笑顔になってしまうゴミ拾い。そんなさわやかな気分に包まれたイベントでした。参加者の皆さん、おつかれさまでした!
(小島ケイタニーラブ)