サンデー毎日に小沢元代表の対談が載った。

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民主党の小沢一郎・元代表による野田政権への揺さぶりが、じわり始まったようだ。小沢氏が週刊誌で「民主党の次期選挙ベタ負け」予測を披露するなどの動きを見せ始めたのだ。

民主党は現在、TPP(環太平洋経済連携)をめぐり党内が揺れ、「TPP解散」の可能性を指摘する声も出ている。その間隙を縫うかのように、小沢氏は2011年11月15日夜、輿石東・民主党幹事長と会談した。輿石氏の幹事長就任(8月)以降では初めてとされる。TPP問題などを協議したとみられる。

サンデー毎日で「独占スクープ対談」

また小沢氏は、週刊誌「サンデー毎日」今週号(11月27日号)で、ジャーナリスト鳥越俊太郎氏との対談記事に登場している。同誌は「独占90分スクープ対談」とうたい、6ページを割いている。

対談の中で小沢氏は、TPPについて、「自由貿易の原則は誰も否定できない」としつつ、「(今、交渉に参加すれば米国の)意のままにやられてしまいます」と、TPP参加自体へ前のめりと見られている野田佳彦首相に釘を刺している。

また、消費税増税に向け法案提出の方針を野田政権が示していることに対しても厳しい見方を示した。

小沢氏は、民主党が政権をとった2009年の衆院選で4年間は消費増税しないと民主党が約束したことを指摘し、「このまま衆院選をすれば問題にならない。ベタ負けですね」との予測を披露した。

小沢氏の週刊誌「独占対談」への登場や輿石幹事長との「就任後初会談」が、「TPP解散」もささやかれ始めたこの時期に重なったのは偶然なのだろうか。

TPP解散の可能性は?

さらに対談での「選挙ベタ負け」予測は、純粋に状勢分析によるものか、それとも「野田政権のままで次期国政選挙を迎えて良いのか」という党内向けの揺さぶりなのか。

小沢−輿石会談があったのは、ハワイで開かれていたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議に出席していた野田首相が帰国した14日の翌日だ。野田首相はハワイで、民主党内にも反対・慎重論が根強いTPP交渉参加方針を表明した。

TPP問題を巡っては、自民党内も賛否の路線対立が浮き彫りになっている。

こうした状勢の中に小沢氏が「政局」のにおいを感じ取り、攻勢に出ようとしているとしても不思議ではない。

小沢氏は11月19日夜、インターネットの「ニコニコ動画」の「生放送」へ出演し、ジャーナリスト田原総一朗氏と討論する。小沢氏事務所のツイッターが3週間ぶりに更新され、告知している。

小沢氏は今後、さらに「揺さぶり」に向けた動きを強めてくるのだろうか。野田首相は11月16日の参院予算委で、「TPP解散」の可能性を否定した。