パソコンの販売が堅調なようだ。春先、インテル製チップセット(6シリーズ)の不具合と東日本大震災で、完全な「出遅れ」となったが、ここへきて盛り返してきたようだ。マスコミ報道によれば、デスクトップ型では液晶一体型が8割近い販売シェアを占めているとか。一体型は、省スペース性や、著作権保護機能が必要な地デジ機能を搭載しやすいという利点があるからだろうが、「ちょっと待ってよ」と言いたい。


■一体型は故障時に困る
最初に断っておくが、私は一体型パソコンは買わないことにしている。これまで、この「禁」を破りたくなる製品にはいくつも出会ったが、結局、破らずじまいである。最近では、5月に発売されたiMacに触手が動きかけたが、後述する理由でやめている。

最大の理由は、故障時に困ることだ。分離型であれば、モニタまたは本体の異常が発生した方を修理、もしくは買い替えればすむが、一体型では「全取っ替え」しなければならない。これでは、修理の間は仕事が成り立たない。一体型では、長く使えば必ず壊れるHDDの交換も容易ではないし、「もっと大きいモニタに変えたい」と思っても不可能だ。

■一体型は拡張性が劣る
第二に、拡張性だ。私がもっとも使うMacProは6年前の製品だが、HDDが4基入っている。Mac用、Windows用(BootCampで起動)に加え、残る2基はソフトウェアRAIDで連結し、バックアップ用(TimeMachine)にしている。

こんなことは、一体型ではできない。むろん、外付けHDDを使えばバックアップ用は構築できるが、Windowsの起動用HDDは、基本的には内蔵が必須だ。このような環境は、6年間かけてじわじわとつくってきた。このような「グレードアップ感覚」は、拡張性が限られた一体型では味わえない。

■iMacに期待する新境地
以上の理由で、私は一体型パソコンは買わないことにしているのだが、ある条件が整えば、iMacに乗り換えようと思っている。

その条件とは、Thunderbolt対応のフラッシュメモリが発売されたときだ。Thunderboltはインテルがアップルと共同開発した高速伝送技術で、10Gbps(理論値)のデータ転送ができる。MacOS Xは標準で外付け機器からの起動をサポートするので、Thunderbolt対応フラッシュメモリが発売されれば、OSをそちら側にインストールしても使える。もっとも、Windows PCでThunderboltポートが採用されない限り、普及は難しいだろうが。

ちなみに、私の当面の目標は、MacProの内蔵HDDをSSDに換装することだ。


大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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