本日、プリウスミニバンとして話題のプリウスα(アルファ)に乗させていただきました。


現在、ディーラーで注文しても来月の4月以降に納車となりそうだという、人気のクルマです。


プリウスαの基本的な特徴をもう一度おさらいすると、プリウスの派生車種として、ホイールベースを80mm延長し、主に後部のスペースを拡大しています。が、ボディ外板はほぼすべてプリウスと共用部品は無いそうです。


その広がったスペースは、2列シートの5人乗り仕様ではラゲッジスペースに、7人乗りの3列シート仕様はもちろん3列目のスペースに活用しています。


5人乗りには、2列目の後ろにハイブリッド用バッテリーを搭載することができますが、7人乗り仕様では2列目後部は3列目の足下となるため、空間を確保しなければなりません。


そこで、7人乗り仕様は前席の間にハイブリッド用バッテリーを搭載しています。


そんなわけで、3列目足下スペースより、コンソールボックス部分は狭いですから、5人乗りにはプリウスと同じニッケル水素バッテリー、7人乗りには体積のわりに蓄電量が大きくできるリチウムイオンバッテリーを採用しています。


ということは、7人乗り仕様のほうが優れたバッテリーを採用しているようにも聞こえますが、性能面ではどちらのも同じ要求レベルだったわけで、結果として特に違いはないそうです。バッテリー容量も同じです。


実際に運転した感覚でも、リチウムイオンであることとニッケル水素であることでの走りの違いはまったく感じられません。当たり前な気もしますが。


自分の素人感覚ではわからないだけで、プロの実験ドライバーだったらわかるのかなぁ、と思って、車両実験統括部プロジェクト開発推進室主幹の真崎浩さんにお聞きしました。


すると、「実験ドライバーでも、バッテリーの種類によるパワーの出方などの違いを感じることはない」と聞き、安心しました。ただし、「熱による影響には気を遣っていて、テストコースでの連続走行などで、バッテリー温度が上昇したとき、早めにバッテリーからの電力供給を抑える制御はリチウムイオンのほうが早めに入るようにはなっていますね」とのこと。一般的な使い方では出ないような状況らしいですが、強いて違いを挙げるとすればそのような場面だそうです。


また、重量配分などから来る5人乗り、7人乗りの走り、挙動、乗り心地の差も、ないといって差し支えないと思います。ただし、乗り心地の差は、通常の16インチタイヤとツーリングセレクションの17インチタイヤでの差のほうが大きいです。それも、意外にもツーリングセレクションのほうが乗り心地が良かったのには驚きでした。


価格的に比較すると、同じGグレードの5人乗りが280万円、7人乗りが300万円と、ちょうど20万円差。その違いは3列目のシートが追加されて、バッテリーの種類が変わっているだけ、といっていいでしょう(細かな収納などは違いますが)。


というわけで、プリウスαを購入検討する際、バッテリーの違いで左右される必要はないと思います。単純に、20万円差でプラス2名の乗車定員が必要かどうかを判断すればいいんだと思いました。


ただし、3列目は決して広々と誰もがちゃんと座れるスペースではないので、それは実車で確認してくださいね。



プリウスα 5人乗り



プリウスα 7人乗り


(小林和久)




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