逆ギレしたかと思うと涙の土下座 「集団食中毒」社長態度一変の理由
ユッケを食べたことが原因で腸管出血性大腸菌O‐111に感染するなど、4人の死者と90人もの患者を出す集団食中毒を引き起こした焼肉チェーン店「焼肉酒家えびす」を経営する「フーズ・フォーラス」の勘坂康弘社長の態度が「コロコロ変わっておかしい」と、インターネット上で話題になっている。
記者会見で「逆ギレ」したかと思えば、4人目の死者の知らせに今度は路上で「土下座」と、テレビに映し出される社長の姿や言葉からは、誠実さに欠け、滑稽にすら感じた人は少なくない。
「誰に対してあやまっているのか、わからない」
勘坂社長の態度に、インターネットでは多くの人が「なんでキレながら謝罪?」「誰に対してあやまっているのか、わからない」、「社長の主張なの?」などと、いぶかしげに見ている。
5月2日の記者会見で勘坂社長は提供したユッケについて、「殺菌処理しているとの前提で仕入れた肉を、独自の管理基準をつくって管理して販売していた」と説明。その一方で、仕入れた肉を最後に検査したのは2009年7月29日で、「過去数年間は定期的に実施していたが、一度も菌は出なかったことから検査をやめた」と説明。
さらに、「日本中のすべての焼肉屋さんと同じ物を使用し、その中でわたしたち、もしくは納品業者様に何らかの不備があってこのような事態を起こしました。これに関しては真摯にお詫びを申し上げます。大変失礼いたしました」と述べた。ただ、「逆ギレ」して怒鳴るような口調で、卸業者が悪いといわんばかりに捲くし立てもした。
「もともと生食用でない加熱用の肉を調理してユッケとして出していた。焼肉業界では加熱用の肉を店の責任で調理するのが慣例になっている」と発言。「それを踏まえ、法律で生食用というか、普通の精肉をユッケとして出しているのをすべて禁止して、禁止すればいい、すべきだと思います。禁止していただきたいと思います」と行政のあり方にも矛先をむけた。
オーナー社長の「弱点」さらけ出した
リスクマネジメントに詳しい城繁幸氏は、「かつての東横インや船場吉兆と同じように、不祥事の際に重ねて不手際をみせるオーナー企業の弱点をさらけ出した印象ですね」と話す。
城氏によると、一般的にサラリーマン社長は社内での長い出世レースの中で前例を踏襲しながら鍛えられているので、こうした不祥事の場面の対応にも比較的安定しているが、オーナー企業は弱い。
勘坂社長は、とにかくその場を取り繕うのに必死だったことがうかがえる。
そんな態度が一変したのが5月5日。テレビが映したのは涙ながらに土下座して謝罪する姿だった。「逆ギレ」した記者会見のあとに、第三者にアドバイスされたのかもしれない。
「事態の重大さを理解し、我を封じて精一杯の誠意をアピールしてみせたのだと思います」
城氏はこう分析する。
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