「UQ WiMAX」によるネットサーフィン

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パソコン業界は、今や空前のネットブック・ブームだが、そんなネットブックの唯一にして最大の欠点は、やはり屋外での運用だろう。ネットブックはインターネットに接続してこそ真価を発揮するが、屋外でのネット環境は必ずしも快適なものとは呼べなかった。

というのは、屋外でインターネットを使うためには、無線LANか、データ通信カードが必要となるからだ。無線LANは自宅のように高速通信が利用できるが、使用できるエリアが限られている。一方、データ通信カードはエリアは広いが、無線LANほどの高速な通信速度で利用ができない。

悩ましい限りだが、そんな屋外でのネット環境に大きな変化が訪れようとしている。
UQコミュニケーションズが次世代高速無線通信「WiMAX」を利用した通信サービスを2009年7月1日より本格始動、ウィルコムは次世代通信網「WILLCOM CORE XGP」のエリア限定サービスを開始した。さらにイー・モバイルは、通信速度を一気に3倍に引き上げようと計画を進めている。
そこで今回は、ネットブック人気で活気づき始めた次世代の高速通信にフォーカスしてみた。


■無線LAN並みの高速通信「UQ WiMAX」- UQコミュニケーションズ
「UQ WiMAX」は、UQコミュニケーションズが提供する高速モバイル通信サービスだ。喫茶店や駅などのスポット的な無線LANとは異なり、広いエリアでの利用が可能となるうえ、データ通信速度がとにかく速い。

これまで他社が提供してきたデータ通信は、最大通信速度(下り)が7.2Mbpsだったが、UQ WiMAXは下り最大40Mbps(上り最大10Mbps)の高速な通信が可能だ。

「UQ WiMAX」では、高速データ無線技術(OFDMA)とマルチアンテナ技術(MIMO)を利用することで、光ブロードバンドなみの高速なインターネット利用環境を実現している。
屋外でも光の高速ネットを実現!「UQ WiMAX」の仕組み - ITライフハック

■自社の強みを活かした高速通信「WILLCOM CORE XGP」- ウィルコム
モバイル通信の事業者としては老舗のウィルコムが提供する、新しい高速モバイルデータ通信サービスが「WILLCOM CORE GPX」だ。

「WILLCOM CORE GPX」は、下りだけでなく上りも最大20Mbpsという高速な通信速度を実現する。さらに多数の基地局によって利用エリアをカバーするので、1か所にアクセスが集中しても実効速度が落ちにくいという特徴がある。

技術的には、上りと下りで同じ周波数を使う「時分割複信(TDD)方式」という技術や、TDD方式をベースに基地局間の電波干渉を抑制しつつ周波数の利用効率を高める「スマートアンテナ」、同一セル内で同じ周波数を再利用できる「空間分割多元接続(SDMA)」などの応用技術により高速化を実現している。
ネットブックとモバイラーの救世主!次世代の高速データ通信「WILLCOM CORE XGP」 - ITライフハック

■HSPA+導入により通信速度が3倍に - イー・モバイル
データ通信をメインに事業を展開するイー・モバイルが、8月上旬からの提供を予定しているのが、従来のEMモバイルブロードバンドを3倍に高速化した新データ通信サービスだ。

同通信サービスは、携帯電話のパケット通信でも使用されているHSPAをさらに拡張した3GPPによる通信規格「HSPA+」を使用することによって、通信速度を最大21Mbpsまで通信速度を高速化する。

提供エリアや対応端末については、今後の展開を待つしかないが、この時期での発表は前述の「UQ WiMAX」や「WILLCOM CORE XGP」を意識してのことだろう。
3.5世代最速、HSPA+を国内で初めて導入 - イーモバイル

 以上のように、まるでネットブック市場の拡大に合わせるかの如く、次世代の高速通信サービスが相次いで発表された。外出先で快適なネット環境を実現したい人には、まさに目が離せない状況といえるだろう。


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