「ヨドバシ・ドット・コム」がリニューアル直後から表示が遅すぎて激重になる大規模障害が発生、一体何が起きているのか?
ヨドバシカメラの公式サイト「ヨドバシ・ドット・コム」が2008年10月21日(火)にリニューアルされました。個人的な感覚では「使いにくく、見にくく、お目当ての商品が探しにくく」なって改悪されたように感じられていたわけですが、それどころかあまりにも表示が遅すぎて激重になり、なんとお詫びページまで作られるほどになってしまいました。
そして既にリニューアルから1週間が経過したものの、いまだに改善されておらず、一体何がどうなっているのかよくわからない状態で、どれぐらいの損失が発生したのかが非常に気になります。何が起きているのでしょうか?
まず発端は10月21日(火)。リニューアル直後から重くなり始め、ついにはタイムアウトを連発。たまたまこの日は前日にヨドバシ・ドット・コムから「ポイント残高失効のお知らせ」が届いていたため、ポイントでLANケーブルを買おうと思っていたのですが、あまりの重さにあきらめました。ちょうどリニューアルセールも告知されていたので、そのせいかな〜と思っていました。
ところがこの状態は翌日も続き、とうとう23日には以下のようなお詫びページが出現しました。
画面表示に時間がかかり大変ご迷惑をおかけしております。改善に向けて修正を行っております。ご不便をおかけして、誠に申し訳ございません。
平素はヨドバシ・ドット・コムをご愛顧いただき、ありがとうございます。
現在、ヨドバシ・ドット・コムにてページ画面が表示されるまでに時間がかかる状態となっております。
改善に向けて修正を行っております。お客様には大変ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。
最新状況については、こちらでご報告させていただきます。
モバイルヨドバシに関しても、サービス再開に向けて調整を行っております。
このたびは、ご迷惑をおかけして、誠に申し訳ございません。
しかしこの重さはまったく解消されず、ついに25日(土)にはYahoo!知恵袋に以下のような質問が出てきます。
大手ECサイトのヨドバシドットコムが、サイトリニューアルから大規模な障害を3日間... - Yahoo!知恵袋
どうやら今回のヨドバシドットコムリニューアルはCMS導入が目的で、
キノトロープスリーイントという会社( http://www.k-3int.co.jp/ )が請けたようです。
また、リニューアルの10/21から10/25現在までこの状況ですので、ヨドバシカメラの損失額は
億単位で発生していると言われています。
キノトロープスリーイントの実績紹介のページを見に行くと、「大手量販店Webサイト」というのがあり、真偽不明ですが、どうやら本来であればヨドバシの事例が表示される予定だったらしい。
と、ここに来て事例のページを見ている最中に思わず「あっ!」と声を上げてしまいました。なんとそこには通称「セッション様」で数々のユーザーを苦しめ続けたあの「ウィルコムストア」があるではないですか。ウィルコムストアで新商品購入予約祭りに参加した人であればご存じだと思われますが、あのときも確かに非常に困惑させられた思い出があります。当時のサイトをどこが担当していたのかはわかりませんが、懐かしい限りです。
【セッション様】予約戦争サイト実現スレ1【ZERO3】
日日俺酔狂 全略、セッションさま
セッション様【せっしょんさま】(携帯機種板)
Webサーバが高負荷になり、行っている作業の途中で
接続が切れてしまうこと。
転じて、物事が上手くいきかけたにもかかわらず、途中で
急に失敗してしまうこと。
スマートフォン「W-ZERO3」の予約開始時に、発売元の
オンラインショップが非常に混雑し、
注文途中で「セッションタイムアウトが発生しました」の
エラーメッセージが多発したことが由来。
ちなみにヨドバシカメラの旧サイトは以下の会社が担当したらしい。
取引先紹介 - 株式会社瑞風
株式会社 ヨドバシカメラ
実店舗を駅前の一等地に16店舗有している。2005年には秋葉原へ超大型店舗の出店を予定している。
近年も大阪梅田、九州博多をオープンし、勢いを増している。
インターネットでの通信販売のシステムは1998年から始めており、売り上げも順調に伸びている。
2003年人気サイトランキングでは、amazon.co.jpに次ぎ、同率2位を獲得(日経流通新聞MJ)。
基幹システムのサーバはどこのを使っているかというと、2006年時点ではヒューレット・パッカードだったようです。サーバの仮想化なども行っており、止めないシステムを心がけていることがわかります。
日本HP 導入事例:株式会社ヨドバシカメラ
まず、止まっては、止めては、いけないということです。店舗は年中無休で夜遅い時間まで営業を続けており、店頭の接客現場とシステムはリアルタイムで連動しています。もちろんWebショップは24時間稼動。24時間、365日休めない会社なのです。
当然、万が一にもシステムが止まってしまうと、ビジネスそのものも止まってしまい、経営に甚大な影響が及んでしまいます。ですから堅牢なIT基盤とするために、HPにも力を借りて、クラスタ構成による可用性の向上、広域災害に備えるディザスタリカバリシステムの構築など、これまでに様々な対策を行ってきています。
それが今ではこうなっています。10月28日(火)の21時半頃の様子です。
というわけで、Safariに搭載されている「ネットワークタイムライン」を使って、どの要素が重たくなっているのか、どれぐらい時間がかかっているのかを計測してみました。
タイムアウトしない場合、表示されるまで1分半近くかかります。
さらにfavicon.icoの読み込みがなかなか終わらず、最終的には2分半近く待つということに。よっぽどヨドバシを使おうと思う熱狂的ファン以外は待つことができず、逃げてしまうのでは……。
あまりにも時間がかかるので、Safariからのアドバイスとして「gzipかzlib圧縮して転送し、帯域を減らせばいいよ!」と表示されています。
あと気になるのはスタイルシートのサイズ。やたら大きいような……。
なお、計測可能だった際の最悪のケースがコレ。27分もかかってます。
ちなみに、「Sofmap.com」も過去にサイトリニューアルに失敗していますので、やはりこれだけの大規模サイトになるとかなり難しいようです。
スラッシュドット・ジャパン | Sofmap.comがリニューアルで躓き、一時閉店中
GIGAZINEもかつて昼の12時頃になるとめちゃくちゃ重たかったことがあったのでこの苦しみは非常に良く理解できます。是非とも元のヨドバシ以上のサクサクヨドバシに改善していただき、その際には真のリニューアルセールをして欲しいと思います。がんばってください、応援してます。
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