首脳陣との関係悪化でリヨン退団が決定的と見られるシルバン・ビルトール(33)の移籍先として、マルセイユが有力になっている。1日付のレキップ紙によると、マルセイユは先週明けから本人と接触をはじめている。

 マルセイユはバイエルンに移籍したリベリに代わる右サイドの攻撃的選手を求めている。ソショーからジアニを獲得したが、チャンピオンズリーグを戦うには、ボルドー、アーセナル、リヨンで場数を踏んだビルトールの獲得はうってつけとなる。バルセロナからジュリを獲得する話はほぼ立ち消えとなったとも報じられる。

 レキップ紙によれば、リヨン首脳陣にとってビルトールはすでに「戦力外」の存在。昨シーズンは出番が少なかったうえ、それを不満に練習を欠席するなど数々のトラブルも起こした。契約があと1年残るが、移籍金なしで放出しても、推定年俸400万ユーロ(約6億6700万円)を節約できれば“御の字”と考えているようだ。

 輝かしい経歴とまだ健在の実力にもかかわらず、ビルトールの獲得に二の足を踏むクラブが多いのも高額の年俸のため。ビルトールの古巣、レンヌも「欲しいが手が出せない」というのが実情だ。ただし日曜紙「ジュルナル・ド・ディマンシュ」は、レンヌの大株主であるフランソワ・ピノー氏が切り札をもつと報じている。ピノー氏が創設したPPRグループは、最近スポーツ用品メーカーのプーマの経営を掌握したばかりで、これが資金面でビルトールを説得する材料になる可能性がある。