先週木曜日(28日)にトッテナムへの移籍が決まったFWダレン・ベントは、アーセナルからバルセロナへ移籍したFWティエリ・アンリの移籍について、「移籍金が安すぎる」と独自の見解を語った。

 チャンピオンシップリーグ(実質2部)への降格が決まったチャールトンから、トップレベルでの戦いを求めて移籍を決断したベント。このイングランド代表FWの獲得に、トッテナムはクラブ記録となる1650万ポンド(約40億円)の移籍金を支払った。そして、この金額が、バルセロナ入りしたアンリの移籍金を40万ポンド(約9800万円)上回った点を指摘されると、ベントは独自の金額を算出しながら、次のように応えた。

「バルサはティエリを格安で手に入れたよね。僕は3000万ポンド(約73億5000万円)くらいが妥当だと思うね。チャールトンが設定した金額については、僕が口出しできるものでもない。今はただ、スパーズがその金額に合意してくれたことに感謝しているよ」

 一方、鳴り物入りでトッテナムに加入したベントは、新天地でのポジション争いの厳しさはすでに承知済みの様子。昨シーズン、移籍初年度で結果を残したディミタール・ベルバトフ(ブルガリア代表)に加え、ロビー・キーン(アイルランド代表)やジャーメイン・デフォー(イングランド代表)など、錚々たるメンバーを揃えるスパーズ攻撃陣において、定位置の確保が先決であるとの考えを語った。

「もちろん、すぐにスタメンで出られるなんて思っていないよ。ロビーやジャーメインも、昨シーズンは結果を残したし、ディミタールは本当に素晴らしいシーズンを送っていたよね。厳しいチャレンジになることは分かっている。でも、みんながゴールを決めれば、チームの勝利につながるはずさ」

 一時は、クラブ間の合意がなされたウェストハムへの移籍が有力視されたベント。しかし、高給を確約したウェストハムよりも、「ヨーロッパの舞台で戦える」(ベント)トッテナムを選択した。「お金がすべてじゃない。プロである以上、強い意志を持たなくては」と語る“アンリより高い男”は、新天地でその実力を存分に発揮してくれるだろう。