金色の壺から現れた、タンドリーチキンにびっくり 東西の実力派2店を徹底チェック

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古今東西、美味しいグルメを追い続けてきた、東の食のジャーナリストのマッキー牧元(まきもと)さんと、西のグルメ王の門上武司(かどかみ・たけし)さんが互いに「オススメの一皿」を持ち寄って紹介します。食の達人たちが織りなす“おいしい往復書簡”をどうぞお楽しみください。今回のお題は、寒さが深まる季節にスパイスの香りが食欲をそそる「タンドリーチキン」です。

カレーだけじゃない!“タンドリーチキン”の魅力

カレーだけがインド料理の王道ではありません。いやむしろ、〈タンドリーチキン〉の方がインド“らしさ”に花が咲くってもんです。ということでまず東は、本気のインド料理店から、華やかなりしタンドリーチキンをご紹介。そして西は、手法は独自ながら、研究し尽くされた黄金比率のバランスに唸る一品を。いずれ劣らぬ美味なチキン、機会があればぜひ食べ比べてみてください!

チキンの登場から大いに盛り上がるエンタメ感も◎『BOMBAY SIZZLERS(ボンベイ シジラーズ)』@東京・京橋

【東のタンドリーチキン】

「まず登場から拍手もの。思わず歓声が上がります。僕は最初はそのまま齧り、途中からチャパティに包んで食べるのが好きです。インド人はあまりやらないそうですけどね。そしてコリアンダーチャツネをプラスして完成です」(牧)

タンドリーチキン2200円(1本なら1150円)

『BOMBAY SIZZLERS(ボンベイ シジラーズ)』タンドリーチキン2200円(1本なら1150円)

門上さん、僕のタンドリーチキン暦は、50数年になります。インド料理店では必ず頼み、本場でもいただきました。しかしこんなタンドリーチキンには、出合ったことがありません。テーブルに金色の壺が運ばれると、給仕人が串を刺し入れます。すると、朦もう々もうたる湯気とともに、タンドリーチキンが現れるではありませんか。

鶏肉は、香菜の緑とパプリカの赤をまとって、艶やかに輝いています。たまらず齧れば、スパイス香が弾け、ヨーグルトの柔らかな酸味がきて、鶏の滋味が追いかけます。と、書きましたが、それらが瞬時に口の中で膨らんで、笑顔を生むのです。

『BOMBAY SIZZLERS(ボンベイ シジラーズ)』壺から出されるタンドリーチキン

およそ18時間スパイスとヨーグルトに漬け込んだという肉は、しなやかで、馴染んで丸くなった調味料と共に、食欲を煽ってきます。このまま一気に食べちゃいそうになりますが、ちょっと待った。特製コリアンダーチャツネを垂らし、レモンをひと搾りして、齧りましょう。

これがやめられない。ローステッドチャナの旨みが下支え、新鮮な香菜の香りが鼻に抜けていくこのチャツネは、一気に虜となります。そして最後は骨を持ってしゃぶりつくします。2ピースはいけるので、1本はそのまま食べ、もう1本は、レモンを搾り、チャツネで食べるのもいいでしょう。門上さん、一度一緒に行って、ふたりで齧りつきたいです。

『BOMBAY SIZZLERS(ボンベイ シジラーズ)』

[店名]『BOMBAY SIZZLERS(ボンベイ シジラーズ)』

[住所]東京都中央区京橋3-1-1 東京スクエアガーデン1階

[電話]03-6665-6865

[営業時間]11時15分〜15時(14時45分LO)※土・日・祝は11時半〜、17時〜22時15分(21時45分LO)

[休日]月

[交通]地下鉄銀座線京橋駅3番出口直結

マッキー牧元

マッキー牧元

自腹タベアルキストであり、コラムニスト。『味の手帖』主幹。また、東京・虎ノ門ヒルズにある飲食店街〈虎ノ門横丁〉のプロデュースを務めるなど、ますます多彩に活躍。

これぞまさにセクションドール(黄金比率)な極みの一品『SEction D’or(セクション ドール)』@京都・西天王町

【西のタンドリーチキン】

「全体に均一に火が入り。皮目はサクッとし、身はしっとりジューシー。舌を持って踊り出したくなるような味わいです。添えられたにんじんやかぼちゃなど、野菜の甘みは記憶に残るぐらいに鮮烈な味わいです」(門)

タンドリーチキン2700円

『SEction D’or(セクション ドール)』タンドリーチキン2700円

牧元さんからいただいたお題が「タンドリーチキン」。即座に思いついたのがメニューはタンドリーチキンのみという京都・岡崎の『セクションドール』。

ひと皿にチキンと季節の野菜が心地良さそうに同居します。あとはドリンクを選ぶのみ。今回のテーマならここしかないという一軒。ここでのタンドリーチキンは土窯(タンドール)で焼かれるものではなく、熱源が蒸気式オーブン。しかしながら、完成品はタンドリーチキンそのものです。

オーナーシェフの永松秀高さんは「鶏は九州から入ってきます。そこから水分を抜き、ヨーグルトや香辛料に漬け込み焼くまでは5日間ぐらいかかります。この過程をしっかりやらないと味わいが変わってきます」と明言します。いかに下拵えを手抜きせずにやるかが重要だということです。

『SEction D’or(セクション ドール)』皮目パリッと身はしっとりなタンドリーチキン

蒸気式オーブンは庫内が300度ぐらいまで上昇し、かつ旨みを含んだ液体を残すことができるので、理想的な熱源とも言えるのです。そして特筆すべきは、鶏から滲み出た油で野菜を調理するので「うちの野菜は格別の仕上がりだと思います。タンドリーチキンだからこそ可能となる味わい」と語ってくれました。

しっとりした味わいの鶏肉に感動を受け、野菜の大地の味をしっかりかみ締める喜びこそ、『セクションドール』の真骨頂です。タンドリーチキン一本勝負、ご一緒してください。

『SEction D’or(セクション ドール)』

[店名]『SEction D’or(セクション ドール)』

[住所]京都府京都市左京区岡崎西天王町84-1

[電話]075-752-2249

[営業時間]11時半〜14時、17時半〜21時

[休日]火

[交通]京都市営地下鉄東山駅2番出口または京阪電車神宮丸太町駅2番出口から徒歩10分

門上武司

門上武司

小誌でもおなじみの、あらゆる食情報に精通している西のグルメ王。食関連の執筆・編集を中心に、各メディアに露出多数。関西の食雑誌『あまから手帖』の編集顧問も務める。

※掲載情報は取材時のものになります。内容に変更が生じる場合があります。詳細は店舗にお問い合わせください。

文/マッキー牧元(東)、門上武司(西)撮影/鵜澤昭彦(東)、松浦稔(西)

※月刊情報誌『おとなの週末』2025年11月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

2025年11月号

【比較画像】これが、東西実力店の自慢のタンドリーチキン(10枚)