堀江公判 28日の被告人質問(3)
キューズ・ネットへの架空売り上げ計上
── キューズ・ネットとの契約稟議書について聞きます。契約期間が終わってから稟議がされていることについて、弁護側の尋問の中で「よくあることなので、おかしいことではない」と言っていたが。
はい。
── 「ただ、僕が文句を言うんで」とも言っていた。変ではないか。
契約してから作業をするという基本は守ろうよ、ということだと思う。
── 日付は確認していたか。
── 契約締結の稟議をする時に、これはおかしいと、起草者や執行役員を呼び出すことはなかったのか。
ありましたよ。しかし、こういうタイプの契約書で契約期間に頭が回るほど暇じゃない。
── (資料を示す)これは、電子決済ですかね。キューズに対する広告で、承認日は9月27日となっている。下の方に回収予定日ってあるじゃないですか。8月31日となっている。こういうことはよくあることなのか。
これって間違いなんじゃないですか。結構いいかげんなんで。自動的に入っているのかもしれない。このシステムよく分かんないっすよ、稟議書を出したことは一度もないんで。
バリュークリックジャパンの粉飾決算
── (メールを示す)これは04年7月7日に被告人から伊地知(晋一)さんへ送られたメールです。送った記憶は。
ないです。
── 「VCJ(バリュークリックジャパン、ライブドアマーケティングの前身)の4−6月が少し赤字なので、売り上げ付けてあげたら」とある。
VCJに対して、LDのメディアが発注していたことは知っていたので、「不当に安く発注しているのではないか。適正価格にしろ」ということじゃないですかね。
── それは記憶か、推測か。
推測ですね。
── (資料を示す)宮内さんから伊地知さん、「cc」であなたにもメールが送られている。読んだ記憶はあるか。
ありません。
── 「うまいこと数字を作って、1億くらい黒字になるようにしてください」とある。これだけみると数字を操作するように見えるが。
わかんないっすね。宮内さん、よく訳の分からない表現をするんですよね。「うまいこと数字をつくって」と疑いの目で見ると、そう受け取れるかもしれないが。
── 宮内さんは訳が分からないメールはよく送ってくるのか。
誤字脱字当たり前。ロジックおかしい。100分割メールもそう。ぶっちゃけメールほとんどそう。
── これをみると、宮内さんは新たに3000万円を発注しろと言っているように見えるが。
そうじゃないことを考えてメールを送った可能性はあると思う。宮内さんってそういう人なんで。
── (資料が示される)04年12月1日にあなたから宮内さんへメールが送信されている。このメールをやり取りした記憶は。
ああ、このメールはやり取りした記憶がある。
── なぜ。
拘置所でしつこく「思い出せ、思い出せ」とナカハラさんにやられたから。
── メールの2行目「LDFに到達します」を読んだ記憶は。
「到達します」は違和感があるので、読んだ記憶はない。こういう感じ、宮内さんには珍しいじゃないですか。長いメールは宮内さんも打たないというのが、僕の認識だ。
── (資料を示す)04年11月16日に熊谷さんが送信したメールには、<重要>とある。
どちらかといえば、見た可能性がある。
── 読んだ記憶は。
ないですね。
── このメールを見ると、キューズ・ロイヤルへの作業工程表があるし、最終提案書は作られていないですよね。
普通の範囲じゃないですか。金額がたぶん監査に言われてたからじゃないですか。
── 監査で言われるくらいだから、ないとまずいと。
成果物があれば。
── 最終提案書もない。
提案は口でする。ミーティングでする。役所仕事じゃないんで。キューズ・ロイヤルは仲良しの会社ですから。
── 熊谷さんや各執行役員に報告を求めることはしないのか。
しない。
(つづく)
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