堀江公判 28日の被告人質問(2)
メールの読み方
── 次にメールの読み方を聞く。どうやっているのか。
まず、メールサーバーからメールを取得する。「Ctrt」キーと「M」キーを使ってPOPサーバーから受信するが、これは結構時間がかかる。そのあと、メールソフトのフィルタリングで、スパムメールがフォルダに入る。でも、1%ぐらいスパムじゃないメールが入ってしまうので、スパムメールフォルダを見て、重要メールが入っていないか確認する。重要メールは受信フォルダに移動する。しかし、目視でやっているので、重要メールを見逃してしまうこともある。そのあと、自分で作った1000コぐらいのルールに従って、200−300あるメールボックスに振り分けられる。
それはある。BODという取締役会のメールボックスや、僕が関心があったメディア事業部のメールボックスを開く。10コ20コを慎重に開いて、左手で「Ctrt」キーと「W」キーを押しながら、見て消し、見て消しする。一つのメールはホント、コンマ何秒で見ている。返信できるものは、その場で1行とかで返信する。メールボックスの中でも、あとでじっくり返事を書くものは受信メールボックスに移す。あと、ネット業界や経済のメールマガジンは情報収集の意味でよく読んでいる。受信ボックスには、フィルタリングにひっかからなかったスパムメールもあるので、まずそれを捨てる。残りは未処理と振り分けのルールにないメール。すぐに返信しなければいけないものは、すぐ返信して、じっくり考えて返信しなければいけないものは、人に聞いたりする。時間がなければ、この次にまわす。
── 毎日、必ずメールチェックをするのか。
しない時もある。国内旅行でネットができない旅館に泊まった時など。
── 会社でも忙しくて見れないときもあるのか。
そういう日もある。一日に数千メールを見る。万の位になったことはないが、万に近い数字になったことはある。
── あなたは弁護団との打ち合わせの時も、パソコンや携帯を見ているが。
弁護団との打ち合わせだからパソコンなのであって、社内会議では携帯ですね。お客とのミーティングでも見ていることがある。社内ミーティングは半分つまらない話をしているので、時間があれば見ている。
ロイヤル信販への架空売り上げ計上
── (資料を提示する)ロイヤル信販向けウェブコンサルタント料がひと月で4000万円とある。高くないか。
高くないと思う。2000年ぐらいに僕一人でやっていた時には2000−3000万円もらっていた。今は何人でやっているんでしょうから。
── 人工(にんく)一人当たり何円とやっていなかったのか。
LDってそういうの嫌なんですよ。何も知らないで研修だけ受けたのが何円だとか。
── 04年9月29日に7・8・9月分のモバイルマーケティング・コンサルティング費として、1億2000万円計上している。
高くないと思う。モバイルは当時、独自でサイトを持っていて、何百万PVを稼いでいた。
── 当時のロイヤル信販の売り上げから考えると、広告が多すぎないか。
そんなことはないと思う。ウェッブ・キャッシングも買収しているが、ネット経由でお客を獲得するのは効率がいい。
── 結果的に、ロイヤル信販はLDグループ入りしてから売り上げは伸びているのか。
伸びていると思うが、顧客獲得単価が安くなって、資金の調達金利も安くなり、利益は出ていると思う。
トライン買収スキーム
── (質問者が松田道別裁判官に代わる) 03年12月25日に中村(長也)さんから「本日の議題」と題されたメールが定例会議のメーリングリストに送られているが、そのメーリングリストには入っていたか。
ファイナンスのメーリングリストには入っていないものがあった。これがどうかはわからない。いつのことかも覚えていない。
── このメールは読んだことはあるか。
ない。
── 「トラインのスキームは、基本的にカーターと同じ」とある。記憶にあるか。
ありません。
── 定例会議に出席した記憶は。
ありません。
── 「カーターと同じスキーム」について、当時どう理解していたのか。
クラサワ(コミュニケーションズ)…。(※「カーター」は、LDのM&A関係者の間でクラサワコミュニケーションズを指す隠語だった)
── 当時、仮にクラサワと同じスキームだとメールで読んでいたら、どのように理解したか。
株交(株式交換)…。
── そうですか。なら「株交」と書けば終わってしまいますね。
当時読んでいたら、読み飛ばすと思う。株交プラスアルファぐらいの認識ではないか。
── 定例会議では、「カーターと同じ」と書けば、全員同じ認識だったか。
全員同じ認識ではないでしょうね。
── 03年11月13日に塩野誠さんからLDの顧問弁護士にメールが送られて、ccでメーリングリストにも流されている。「8億円以外はエッジに分配される」。読んだ記憶は。
ありません。
── 説明を受けた記憶は。
ないです。
── 野口さん(故・野口英昭氏)っていらっしゃいましたよね。あなたの話によると、うそを言ってLDを辞めたということだが、その後会ったことは。
ライブドア証券を買収した後、六本木ヒルズクラブのチャイナクラブで宮内さんと3人でメシを食った。ライブドア証券の社長をやってもらいたいと思っていた。あと、B社を買収したいなーと思ったら、HSIが案件として持っていて、03年3月ぐらいに紹介してもらった。あとHSIに営業に行った。
── (戦略会議資料を示す)「ソフト赤字ですけど、大丈夫ですか」と返信している。記憶はあるか。
ぼやっとある。
── エクセルファイルを開いた記憶は。
ある。僕が見るのは、営業損益だけですから。
── 売り上げは見ないのか。
あまり。
── まったく目を通さないということはないですよね。
うーん、でも損益が重要ですからね。
── (メールを示す)中村さんが「to」であなたにもメールを送っている。読んだ記憶はないか。
記憶はないですね。
── M&Aチャレンジャー1号投資事業組合について書いてある。メール以外で報告を受けたことは。
ないです。
── なぜ中村さんはあなたにこのような報告をしたと思うか。
気持ちよかったからじゃないですか。
── 本件について報告があったというのは、特別だからか。
他にも報告はあるので、特別ではないと思うが。
── あなたは当時、このファンドによる利益がLD株の売却益だと理解していなかったのか。
はい。
(つづく)
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