人事から見える“トランプ政権2.0”専門家は全公約を実行する“無敵状態”になると指摘【サンデーモーニング】
アメリカのトランプ次期政権の閣僚人事が波紋を呼んでいますが、その顔ぶれから見えてくるものとは?
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“反ワクチン論者”に“少女買春疑惑” 波紋を広げる次期トランプ政権の顔ぶれ
次期トランプ政権の人事。様々な行動や言動で物議を醸してきた人物が目立ちますが、際立つのはトランプ氏への忠誠ぶりです。
外交を担う国務長官には、対中強硬派の急先鋒、マルコ・ルビオ上院議員。
香港の民主化運動を支援したとして、中国政府から入国禁止とされている人物です。
トランプ氏が公約に掲げている中国製品に対する60%の関税などを巡り対立が激化するとみられる中国との間で、どんな外交を展開するのでしょうか?
入国管理などを管轄する国土安全保障長官には熱心なトランプ派の州知事で、飼い犬を射殺した発言で物議を醸した、クリスティ・ノーム知事。
移民を巡って、史上最大の強制送還を掲げるトランプ氏のもとで、これを具体化するのでしょうか?
厚生長官には、ロバート・ケネディ・Jr氏。
新型コロナワクチンに関する陰謀論を広めるなど、著名な反ワクチン論者で、現場の混乱を招く可能性があります。
全世界で活動する米軍を指揮する国防長官には、トランプ氏と親しいニュース番組の司会者、ピート・ヘグセス氏。
ウクライナへの軍事支援を巡って、NATO諸国との調整も求められます。
トランプ氏は24時間以内に戦争を終結させるなどと豪語していますが、異色の国防長官はどんな役割を求められるのでしょうか?
ヘグセス氏を巡っては、過去に女性への性的暴行の疑いで捜査を受けていたとも報じられています。
そして、司法長官に指名されたのは、マット・ゲーツ下院議員。
こちらは少女買春の疑いで、司法省の捜査を受け、薬物疑惑でも議会で調査が続いていた人物です。
トランプ氏は、前回の大統領在任中に機密書類を持ち出した罪や自身が負けた前回の大統領選の結果を覆そうとした罪などで起訴されていますが、忠実な人物を地方のトップに据えることで、自身の起訴や捜査に関わった当局者を一掃させるのではといった復讐人事も取り沙汰されています。
利益相反?新設省トップにイーロン・マスク氏
さらに注目されていたのが今回の選挙戦を通じて親密さをアピールしていた大富豪、イーロン・マスク氏の処遇ですが、政府の外に「政府効率化省」を新設しそのトップに任命されました。
政府の支出を削減するために助言・指導を行う組織で、規制緩和の議論も含まれるとみられます。
一方でマスク氏は、ロケット打ち上げなどの「スペースX」、電気自動車「テスラ」、旧Twitterの「X」を経営しています。
「スペースX」はロケット事業などで政府側と巨額の契約を結ぶ他、「テスラ」や「X」は当局による規制や調査の対象となっているため、自身の事業に有利になるようにルールを歪める可能性があるのではとも懸念されています。
中間選挙までの2年間は“無敵常態”?
今回の人事から見えるものとは、アメリカ政治に詳しい明海大学の小谷哲男教授は「まさに“トランプ独裁政権“。上下両院とも共和党が掌握しているため、2年後の中間選挙まで誰も止められない無敵状態。全ての公約を実行するだろう」と指摘しています。