締めのあいさつを終えて涙ぐむ柳葉敏郎(中、カメラ・頓所美代子)

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 俳優の柳葉敏郎が15日、都内で主演映画「室井慎次 生き続ける者」(本広克行監督)の初日舞台あいさつに登壇した。

 フジテレビ系「踊る大捜査線」シリーズの人気キャラクター・室井を主人公にした二部作の後編。柳葉は「27年間、室井と付き合ってきて、彼はいろんなことを教えてくれた親友。悔いなく室井の人生を送ることができました」としみじみ。室井の盟友・新城役の筧利夫も「室井さんはあんなことになっちゃったけど…永遠に不滅です!」とねぎらった。

 室井の故郷でもあり、柳葉が現在Uターン移住している秋田でのロケも敢行。柳葉は「最初はこのお仕事は受けまいと思ってた人間が、自分が生まれ育った場所で作品を作ってもらえるなんていうことは、役者としてはこの上ない幸せ」と感無量。秋田の映画館での試写会は妻と一緒に見たと明かし「不思議なことにカミさんが涙するところと、俺が涙するところが違うんですよ。これはなんだろうなと思ってちょっと考えてみたら、自分は室井になって見ていて、室井の涙なんですよ」と役と自分がシンクロするような体験をしたという。

 同作は室井にとっての集大成。最後のあいさつで柳葉は「室井は一つの小さな信念を通すことができました。皆さんも自分の環境の中で小さな信念を求めて幸せになってください」と語り、今作のタイトルに引っかけ「室井慎次は『敗れざる者』であり『生き続ける者』であり、柳葉敏郎は幸せ者です」とメッセージ。満員の観客からのサプライズスローガンとともに「室井さん、ありがとう〜!」の大歓声が飛ぶと、こらえきれずに涙を見せていた。