がんばらずに楽しむ!コミックエッセイ『つれづれ語学日記』で知るAI時代の語学学習

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 AIの普及により翻訳技術も発達し、同時通訳ソフトを使いながら会話もできる時代。それでも言語を学習する理由はあるのだろうか? 『つれづれ語学日記』(こまき ときこ/KADOKAWA)は、そんな時代でも「がんばらない」をモットーに、多言語学習を楽しむ著者の日常を描いたコミックエッセイである。

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 語学を学ぶ理由は人それぞれだ。仕事で使うため、話したい人がいるから、趣味が欲しかったからなど。本作『つれづれ語学日記』著者もはじめは「手段」として英語を学び始めたが、苦しさを感じたことから「楽しみ」として捉え直し、持続可能な学習方法を模索し始める。そんな著者が語学の魅力にどっぷりと浸る日々の暮らしぶりが生き生きと描かれる。

「手段」から「楽しみ」へと変わった著者の語学な日常はルーティン化されている。たとえうまくいかないことが続く1日も、朝一番に学びの時間があることで、成長があったという安心感が得られる。ハードな仕事の後も、語学の時間でモヤモヤや疲れがリセットされていく。語学を学ぶことで整っていく著者の姿に、自分の最適解を知る著者の生存戦略を見ることができる。自分を整える方法を知っていることは大人にとって必要なこと。語学を楽しむ著者から、日々を前向きに生きるための生き方のヒントがもらえるはず。

 AI翻訳技術が発達した現代においても、語学を一生学び続けたいと考えている著者。その理由は単純に「楽しいから」。歳を重ねても新しいことを学び、毎日ちょっとずつ進歩していくことで、世界を見る窓が増えていく。そんな著者の姿を通じて、語学学習の意義を改めて考えさせられる。

 著者の幅広い言語への興味と具体的な学習方法の紹介が魅力の本作。「言語4技能(リスニング、スピーキング、リーディング、ライティング)」それぞれの具体的な学び方が紹介されており、自然と「やってみたい!」という気持ちにさせられるだろう。新しいことを始めたい人や、語学学習を続けられずに悩んでいる人に特におすすめだ。読了後には、「ながら聴き」から始めてみようかな、といった前向きな気持ちになれるはずだ。語学学習や趣味を通じて世界を広げたい人に、この一冊をぜひ手に取ってもらいたい。

文=ネゴト / Ato Hiromi