次節にもリーグ連覇決定するが…神戸FW武藤は“怒り”「大きな勝ち点1ではない。もう甘えは必要ない」
◇明治安田J1リーグ第36節 神戸1―1東京V(2024年11月10日 味スタ)
試合終了の笛が鳴った瞬間、神戸FW武藤嘉紀は大の字になってピッチに倒れ込んだ。後半46分に追いつかれる痛恨ドロー。オウンゴールしたDFトゥーレルは、呆然とした表情でピッチに佇んだ。
勝ち点2差で迫る2位・広島は、1時間遅れでキックオフ。得失点差では相手が有利だった。広島が敗れて結果的に勝ち点3差に拡がったが、当然、試合直後の武藤やトゥーレルが他会場の状況を知る由もない。ただ、この失望感は首位陥落危機から生まれたものではない。チームに蔓延していたのは、自チームへの怒りだった。
浦和―広島の結果が出た後に取材に応じた武藤は第一声で言い放った。「正直、大きな勝ち点1だとは思ってない。勝ち点2を取りこぼした。本当に落胆しました。もう甘えは必要ない。全員が同じ方向を向いて、意識の違いをなくさないと足元をすくわれる。厳しくしないといけない」。名古屋、G大阪戦に続く後半アディショナルタイムの失点。今季何度も勝ち点3を取り逃した過ちをシーズン最終盤で繰り返した怒りが語気を強めた。
「その時間帯で何が必要なのかを考えないといけない。試合巧者になる必要がある」。次戦・柏に勝利し、広島が札幌と引き分け以下に終われば連覇が決まるが、ライバルの結果は関係ない。向けるべきは自らの姿勢。その先にリーグ連覇がある。