9日のC大阪戦、紺野(8)と話をする福岡・長谷部監督(撮影・永田浩)

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 ◆明治安田J1リーグ第36節 C大阪1―0福岡(9日、大阪・ヨドコウ桜スタジアム)

 アビスパ福岡の松岡大起と長谷部茂利監督が、それぞれ失点シーンで起きた一瞬の判断のずれを悔やんだ。

 失点は0―0で迎えた後半36分。自陣ペナルティーエリア手前にこぼれた球をC大阪の田中駿汰に決められた。田中は当初右足で打とうとしたが主審と重なったため、タイミングをずらして左足でシュート。田中を警戒し、右足でのシュートと読んでブロックに飛び込んだ松岡は交わされた。

 松岡の視線からも、田中と主審が一瞬重なった。「相手が何をするのか、ちょっと読めない部分はあった。いろいろ考え、相手はワンタッチで打つだろうなというイメージもあった」と振り返る。「攻撃が主導権を持ってプレーを選べる中でも(守備で)出し抜いていけば。もっとやれるところはあった」と悔やんだ。

 長谷部監督が取り上げたのは失点した場面の直前。一挙3人の交代を準備していたが、後半35分にウェリントンのシュートがゴールラインを割った際に代えられなかった。「私自身の采配、交代がちょっと遅れた」と口にした長谷部監督は「代えたかったけど、4審の方が挙行してくれなかった。それと、こちらで(ベンチに下げる3人のうち)1人を別の選手にしようとしていた。コミュニケーションが円滑に取れていなかったので、すぐに(試合が)始まってしまった」と振り返った。

 脳振とうの疑いで前半終了間際にGK永石拓海が退くアクシデントはあったが、代わったGK村上昌謙が好セーブを連発。粘り強く守り、終盤に1点を取るアビスパらしい勝ちパターンが見えかけていた。J1屈指の統率のとれた堅守には自信があるだけに、長谷部監督は「失敗したな、と。そういう風に思います」と失った勝ち点3を悔やむ。もっとも5月18日のホーム戦では0―3で完敗した相手。紙一重の展開にまで持ち込んだのは、チームとして成長した証しだ。(末継智章)