大器の呼び声高いクロワデュノール

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 競馬新聞「馬サブロー」が誇るPOGマスター、塩手智彦(栗東)と木村拓人(美浦)がお送りするPOG情報。東西のトレセンでつかんだ情報をお伝えします。

 2日の京王杯2歳Sはパンジャタワー(牡、橋口)が中団追走からメンバー最速タイの上がり3F33秒8の末脚を駆使して、好位から抜け出した2着馬をゴール前できっちりかわしてV。無傷2連勝で重賞初制覇を決めた。師は「千四でレースはしやすかったです。スタートが良く、道中はためが利いた走り。いい内容でした」と初戦と違って差す競馬で結果を出したことを高く評価した。次走は朝日杯FS(12月15日・京都、芝1600m)を予定。「松山Jはマイルでも大丈夫と言ってくれましたので」とG1の大舞台でさらに進化した走りを期待した。

 2歳馬の活躍が目立つ西園翔厩舎だが、先週の東京でも2歳戦で2勝を挙げた。2日の東京未勝利戦(ダート1300m)はフリッカージャブ(牡)が2着に5馬身差をつけて逃げ切りV。師は「スピードを生かしてハナへ。道中も余裕がありましたし、強い内容で勝ってくれました」と高く評価した。レース後は放牧へ。次走は年明けの予定だ。

 3日の東京未勝利戦(芝1400m)はフェルシナ(牝)が3番手追走から直線で逃げた2着馬をかわして1馬身差V。レースを振り返って、師は「渋い競馬。追ってからしっかりしていましたし、いい内容で勝ってくれました」と喜んだ。レース後は放牧に出して、次走は年明けの予定。師は「先々が楽しみになる勝ちっぷり。桜花賞路線を目指していければ」と今後の成長に期待を寄せた。

 3日のもちの木賞はクァンタムウェーブ(牡、松永幹)が中団追走から勝負どころで早めにまくって、ゴール前で逃げた2着馬を首差かわしてV。師は「上手に競馬をしてくれました。最後は辛勝でしたが、2着馬もかなり強い馬なので。勝てて良かったです」と無傷2連勝でのオープン入りを喜んだ。レース後は放牧へ。次走は未定。

 今回は東スポ杯2歳S(16日・東京、芝1800m)を予定する2頭の1週前の様子をお伝えしたい。6月の東京新馬戦(芝1800m)の内容が圧巻だったクロワデュノール(牡、斉藤崇)。6日の1週前追い切りでは北村友Jを背に栗東CWで6F79秒6-35秒7-11秒5の好時計をマーク。抜群の動きを披露した。師は「デビュー前から期待していた馬で、新馬戦はいい勝ち方をしてくれました。レース後は放牧へ。帰厩後はここを目標に調整を進めてきました。帰厩した時は休養明けの分、少し重かったですが、ひと追いごとに良くなってきています」と順調な調整過程に納得の表情。現時点で2歳牡馬ナンバーワンの呼び声も高く、ここでどんなパフォーマンスをしてくれるか非常に楽しみだ。

 6月の福島新馬戦(芝1800m)を快勝して以来となるデルアヴァー(牡、松永幹)は引き続き三浦Jで予定。6日の1週前は鞍上を背に栗東CWで僚馬2頭と併せて、6F82秒0-36秒9-11秒8をマークした。師は「いい動きでした。馬体がひと回り大きくなって、さらに良くなっています」と成長ぶりを実感。レースに向けての意気込みを聞くと「相手は強くなりますが、能力はある馬なので。広いコースも合っていると思いますし、楽しみです」と期待した。

 カワキタマナレア(牝、杉山佳)は阪神JF(12月8日・京都、芝1600m)を予定。5着に敗れたファンタジーSを振り返って、師は「初の千四、天候悪化で道悪、多頭数の大外枠とこれまでとは条件が大きく違っていましたが、自分の競馬をして、ラストはメンバー最速の上がり3Fで伸びてくれました。(坂の)上り下りも鞍上が丁寧に教えてくれて、次につながるいい内容だったと思います」と評価。経験を生かしてG1獲りを狙う。

 ファンタジーS15着のハイファイスピード(牝、宮本)は中京2歳S(12月14日・中京、芝1200m)を予定。師は「(前走は)ずっと進みが悪かったですし、馬場の影響だと思います。能力はあると思いますので」と未勝利勝ちの舞台で巻き返しを期待した。(馬サブロー栗東支局・塩手)