今月、家計が厳しいので即払いに対応している臨時バイトをしようと思います。本業は「扶養内パート」なのですがバイト代も扶養判定に関係しますか?今月はどうしてもピンチなんです……。

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「家計が厳しいから収入を増やしたいけれど、扶養は絶対に外れたくない」というジレンマを抱える人は多いのではないでしょうか。即払いのバイトであっても、扶養の判定に影響するケースはあるため注意が必要です。 本記事では、社会保険の扶養を外れる条件をおさらいするとともに、臨時のバイトの収入が扶養の判定に影響するケースや、スポットワークの現状について紹介します。

パートタイマーが扶養を外れる条件をおさらい

扶養内で働いているパートタイマーが働きすぎて社会保険の扶養を外れるのは、原則として次の3つのいずれかの条件に当てはまった場合です。

■130万円の壁

・年収130万円以上または被保険者(扶養者)の年収の2分の1以上

■106万円の壁

・特定適用事業所(厚生年金保険の被保険者が51人以上)に雇用
・週の所定労働時間20時間以上
・所定内賃金が月額8万8000円以上
・学生でない

■4分の3基準

・日または週の所定労働時間と月の所定労働日数が常時雇用者のおおむね4分の3以上

このうち、130万円の壁に関しては2023年に適用の要件が緩和され、職場の人手不足などの理由で働く時間が増えた場合は、収入が一時的に130万円を超えても、最大2年間までは扶養に入ったまま働けるようになりました。ただし、職場の人手不足などが理由であることを、事業主が証明することが必要です。
家計の足しにしたいなどの事情でボーダーラインを超えた場合は、対象外のため注意しましょう。
 

臨時バイトの収入と扶養の関係は?

レギュラーのパートとは別に臨時でバイトをする場合、バイトの収入が原因で社会保険の扶養を外れるのは次の2つのパターンです。

・バイトの収入が1社で106万円を超えた場合
・パートとバイトの収入の合計が年収130万円を超えた場合

バイトの収入が給与収入で、なおかつ掛け持ち先ごとの収入などの条件が1社でも106万円の壁に該当すると、社会保険の扶養を外れます。ただし、バイトが日払いなどの単発契約で継続して1ヶ月を超えない場合や2ヶ月以内の短期契約の場合は、この条件から除外されます。
また、パートとバイトの収入の合計が年収130万円を超えると、130万円の壁を超えるために扶養を外れなければなりません。バイトがピンチの月のみで収入が少額の場合や、報酬が給与所得ではなく業務委託契約などによる雑所得であっても、扶養を外れなければならない可能性があるのです。
 

臨時のスポットワーク、みんなはいくらくらい稼いでいる?

株式会社キュービックが「スポットワーカー」の現状について行った調査によると、スポットワーク(単発の業務委託契約)で稼いでいる金額は、月に2万円以下という人が全体の約6割を占めています。また、回数では月に1回という人が最も多く、次いで多いのが2~3回という結果です。
スポットワークは、雇用先のシフトや人間関係などに縛られず、空き時間を利用して稼ぎたいときに少しだけ働ける新しい働き方です。「今月ピンチだけれど、扶養を外れずに支払いに必要な分だけ稼ぎたい」といった場合には、スポットワークも選択肢に加えてみるとよいでしょう。
 

パート・バイトの掛け持ちと扶養のルールを理解しよう

配偶者などの扶養を外れずに働くには、収入のボーダーラインを超えないように意識する必要があります。臨時で単発や短期のバイトをする場合にはとくに、全ての収入の合計が130万円を超えないように注意する必要があるでしょう。
また「少しだけ働くつもりが106万円の壁を超えてしまった」といったケースもないわけではありません。仕事の掛け持ちと扶養のルールを理解して、上手に働き方を調整しましょう。
 

出典

厚生労働省 配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさま
全国健康保険協会 被扶養者とは?
日本年金機構 適用事業所と被保険者
日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
厚生労働省 年収の壁・支援強化パッケージ
株式会社キュービックスポットワーカーが増えている理由とは?【専門家が解説】ワーカー547人に稼いでいる額や使い勝手など本音を調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー