カバのザン=2024年10月15日、札幌市円山動物園提供

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 札幌市円山動物園は3日、国内で飼育される最高齢のカバ「ザン」(メス)が49歳で死んだと発表した。

 ザンの父「ドン」も昨年6月、国内最高齢の53歳で死んでおり、同園で飼育するカバはいなくなった。

 園によると、同日朝、獣医師が死んでいるのを確認した。死因については、解剖結果をまとめている。カバの寿命は野生で約30年、飼育下で約40〜50年という。

 ザンは今年3月ごろから、水中でじっとする時間が長くなる活力低下や食欲不振の様子がみられ、8月からは投薬や治療を続けていた。9月には体調が回復したものの、10月以降は再び症状が悪化し、観覧制限も続いていた。

 ザンは同園で生まれ育った。飼育員が触っても嫌がらず、歯に挟まった食べ物を取るよう要求するしぐさをするなど、人懐っこい性格だったという。

 ドンとザンは同居していなかったが、壁越しに寄り添って寝る姿がよく見られ、お互いの存在を認識していたと考えられるという。カバの飼育はドンが死んでから、ザン1頭のみだった。新たな個体の導入の有無については、今後検討していくという。

 柴田千賀子園長は「当園にて誕生してから、多くの来園者に愛され、カバの魅力を伝えてくれた。本当にありがとうございました。これまでザンを応援してくれた皆様に、心から感謝申し上げます」とコメントした。(古畑航希)