阪神・伊藤将 来季復活へ手応え2回パーフェクト「すごく良い感覚で投げられた」
復活へ手応えを深める快投だった。阪神紅白戦で白組の先発マウンドに上がった伊藤将が2回をパーフェクト。今季のシーズン中は不調に終わった直球で押すスタイルを取り戻し、来季へ期待を膨らませた。
「ストレートも空振りとか、ファウルもゾーンで取れていたんで良かったかなと」
1回表、藤川阪神の“初陣”を託された背番号27は、右手を高く掲げるおなじみの投球フォームから力強い直球を投げ込んでいった。先頭の井坪をフルカウントから二ゴロに仕留めると、同期入団の佐藤輝に対しては直球を交えて2球で追い込むと、最後はチェンジアップで空振り三振。続く小野寺も直球で右飛に打ち取った。2イニング目も野口、栄枝、高寺の若虎を寄せ付けず3者凡退。「すごく良い感覚で投げられたと思う」とうなずいた。
納得できたのも“真っすぐ押し”を体現できたからに他ならない。投じた22球のうち半分以上が直球。「(シーズン中は)自分でも納得いかないストレートもあるし、ファウルを取れない球もあるし、それがもう結果に出たというのが今年多かった」と振り返る。
今季はプロ4年目で最少の4勝。結果が示すように、直球の精度が上がらず痛打される場面が目立った。シーズンでの直球の被打率・292は、自己ワースト。それだけに、直球が冴えわたっての好投は吉兆と言える。藤川監督も「ボールがするっと抜けてしまうところは消えていた」と一定の評価を与えた。
「真っすぐをしっかり投げたら変化球も安定するし、振ってくれたりもする。やっぱり真っすぐは(継続して)やっていけたら」
今キャンプでの実戦登板を終え、今後はブルペンでフォームの修正、直球のさらなる精度向上に取り組む。「良い感覚で試合では投げられたんで。それを来年に生かせるようにできたら」。復活イヤーとなる2025年へ視界は良好だ。 (遠藤 礼)