優勝を決めマウンドで喜ぶ福岡大ナイン(撮影・西田忠信)

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 秋の日本一を決める野球の明治神宮大会(20日開幕、神宮球場)出場を懸けた九州大学選手権(西日本新聞社など後援)は3日、福岡市のみずほペイペイドームで決勝があり、福岡大(九州六大学)が久留米工大(九州地区北部)に2―1で競り勝ち、2013年以来11年ぶり5度目の優勝を飾った。福岡大は20日の明治神宮大会初戦で関東五連盟第2代表チームと対戦する。

 福岡大は2年生左腕コンビの楠井悠太(下関商)と久我遥希(福岡大若葉)の継投で1点のリードを守り切った。先発の楠井は5回103球を投げて1失点9奪三振。切れ味鋭い直球と左打者へのスライダーなどを武器に空振りの山を築き「しっかり自分のピッチングができた」と胸を張った。6回からリリーフした久我は被安打1、無四球の安定した投球で「胴上げ投手」となり、歓喜の輪の中心に。「引退する4年生を神宮に連れて行くことができて安心しました」と笑みをこぼした。

 打線は連投となった相手先発左腕の林怜央(3年・早鞆)を打ちあぐねたが、8回2死一、二塁で6番藤川蓮(3年・広島新庄)がショート強襲の打球(記録はエラー)を放って決勝の2点目をもぎ取った。先頭打者で出場した前日の準決勝で無安打に終わり、決勝では打順を下げられていた藤川は「何としても1点を取ろうと初球から仕留めにいった」とかみしめるように語った。

 福岡大は秋の九州六大学リーグ戦で3敗しながら最終週に逆転優勝を決めた。藤川は「チーム全員が雑草魂で九州選手権を勝ち抜こうと頑張ってきた。全国の舞台は強いチームばかりだが、いかに自分たちが勝てるかというのをしっかり考えて練習に取り組みたい」と、気合を入れ直した。(山崎清文)