上村淳之さん(2013年撮影)

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 清らかで気品ある花鳥画を手がけた日本画家で、親子3代で文化勲章を受章した上村淳之(うえむら・あつし、本名・淳=あつし)さんが1日、老衰で死去した。

 91歳だった。喪主は次男、隆司さん。

 京都市生まれ。美人画の巨匠で女性初の文化勲章を受けた祖母・松園(しょうえん)、花鳥画の第一人者だった父・松篁(しょうこう)と続く日本画家の家庭に育った。京都市立美術大(現・京都市立芸術大)で日本画を学んだ。

 愛鳥家として知られ、様々な鳥を飼育しながら生態を観察し、生命感あふれる花鳥画の表現を切り開いた。1995年、「雁金(かりがね)」で日本芸術院賞を受賞。2022年、祖母と父に続いて文化勲章を受けた。代表作に「水辺の四季」などがある。