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 【インタビュー】女優の福田沙紀(34)が監督デビューし、話題となっている。メガホンをとった1分ドラマ「大人に恋はムズカシイ」がショートドラマ配信アプリ「BUMP」で配信中。等身大のアラサー女子を描く作品で、女性視聴者に「キュンキュンする」「面白い」「テンポがいい」と大人気だ。2007年のヒットドラマ「ライフ」(フジテレビ)でのいじめの主犯格の名演、2008年公開の映画「櫻の園」など数々の主演作で知られる福田がどのようにメガホンをとったのか。そこには演技力で定評のある現役女優だからこその工夫があった。(鈴木 美香)

 「泣きながらカットー!って言ったことが何度もありました」

 「ライフ」で今でも語り継がれるいじめ主犯格役を見せた福田。演技に定評ある女優だからこそ、俳優、女優の力が最大限に発揮された瞬間の喜びが大きかったようだ。

 「撮影していて何ともいえない生々しさやリアリティーを演技の中に感じたりした時、うれしくて泣いてしまって。自分の声が録音の音に入らないように、声を抑えたことも何度もありました。いいシーンではオーバーリアクションになってしまったので、周りのスタッフさんにニヤニヤされていました(笑い)」

 撮ったのは、1話1分前後のショートドラマ全29話。物語は、結婚を考えていた彼氏に振られてしまったアラサー会社員の美冬(下京慶子)が店で1人でヤケ酒をした後、目覚めると、自宅のベッドの隣には“仔犬顔”の年下男子・隼人(平井亜門)が眠っていたことから始まるストーリー。隼人に「本当に1人で生きていきたいの?」とたずねられ、美冬は自分自身の気持ちに素直になることを学んでいく。関係修復に努力する、穏やかで誠実な外資系営業マンの元彼・大輝(平田雄也)との関係に揺れながらも、理性では交わらない方がいいと分かっていながら、美冬は年齢も立場も全く違う隼人に惹かれていくが…というドキドキの展開が描かれる。女性視聴者からは「キュンキュンした」「面白かった」「テンポ感が小気味よい」など、作品を存分に堪能した感想が上がっている。

 「自身の経験からなのですが、役者が“これでいいのかな?”と不安な中でやり続けるより安心感を感じてほしいと思っていました。平井亜門君、平田雄也君も“監督がすごくうなずいていたのでこれでいいんだと安心しました”と言ってくれて、安心した中で芝居ができたなら良かったと思っています」。のびのびと演技できる環境を整え、力を引き出した。

 「平井亜門君はイケメンキャラに最初戸惑いもあったみたいですが、スイッチが入って、見ていてすごくキュンキュンする、とてもかわいらしい隼人というキャラクターが亜門君のおかげでできました。瞳がとても輝いていて、目でどういうことを思っているのかが伝わってくる俳優さんだと思ったので、そういったところを拾ってあげたいなと意識して表情が生きるカメラワークを考えて撮ったりしていました」

 その結果、癒やしの“眼福”ドラマが誕生。「女性はみんな仔犬系男子好きかな?って思っていて、私は少なくとも好きです(笑い)。隼人派かな?大輝派かな?なんて思いながら見ていただけたらと思います」。そう語る福田監督の表情から作品への愛情があふれていた。