伝説名投手の誕生日にLA36年ぶりの喜び...青一色・大谷翔平パレード
念願の世界一がかなったロサンゼルスのパレードの様子と混乱ぶりを中村晃大記者が「見た」。
36年分の思いが詰まっていたのだろう。LAのダウンタウンにはブブゼラの音が鳴り響き、葉巻の匂いが充満した。パレードをひと目見ようと木の上、ビルの上、トラックの上にまで人が群がっている。警察官もドジャースのキャップをかぶる特別仕様だった。街が青く染まっていた。
現地は金曜日。平日の昼前から22万人超が集まる光景は圧巻だった。一体、どれほどの人が仕事を休んだのだろう…。記者はスタート地点の市庁舎前でバスを見送り、群衆の流れに身を任せて大谷らを追った。だが、思うように進めず、見えるのは人の壁だけ。もう思い切ってゴール地点まで走ると、隙間があった。最後の最後に見えた。先頭はトロフィーを掲げるロバーツ監督。上半身裸でファンをあおるE・ヘルナンデス、上からビールを振りかける選手もいた。最高の瞬間を共有し、真後ろの女性3人組は全員涙を流していた。
チームは「11・1」の開催にこだわりがあった。10月22日(日本時間23日)に亡くなったことが発表されたド軍の英雄・バレンズエラ氏の誕生日だったのだ。メキシコ出身の通算173勝左腕は、ラテン系住民と球団の架け橋となった伝説の選手。世界一とともに同氏を祝福する声があふれた。
パレードの終了直後からは各所で“セルフパレード”が開催された。車から顔を出して手を振る人、クラクションを鳴らしまくって走行する人。車道の真ん中を旗を振って歩いている人―。「自由の国」をド真ん中で体感した。