オーストラリア戦でも存在感を示した伊東。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[北中米W杯アジア最終予選]日本 1−1 オーストラリア/10月15日/埼玉スタジアム2002

 北中米ワールドカップのアジア最終予選のグループC第4節、日本代表はホームでオーストラリアと1-1で引き分けた。ボールを圧倒的に支配しながらも攻めあぐねた原因は何か。攻撃に問題があったのか、それとも相手の守備が堅かったのか。伊東純也はその質問にこう答えている。

「タケ(久保)や(三笘)薫のところから突破できていたので、オーストラリアの守備が堅いというよりは最後のクオリティだと思います」

 フィニッシュの局面でのクオリティ不足。伊東が指摘したのはそういうことだ。この試合を現地取材した識者の河治良幸氏も同じような感覚を抱く。

「守田(英正)選手あたりに話を聞くと崩しの方法論のところに結論が行きがちですが、伊東選手からすれば『このくらいチャンスがあれば決めるか決めないかの世界』という捉え方なんでしょう」
 
 オーストラリア戦の前半に掴んだチャンスのうち1本でも決めていれば、まるで違う試合展開になったというのが、河治氏の見解だ。崩しのバリエーションをどうすべきか、攻撃に絡む人数をもっと増やすべきか、そこをフォーカスするのではなくあくまでこだわるべきは“最後の質”と、同氏は主張する。

「組み立て、崩し方に言及しすぎると守備とのバランスが悪くなる恐れもあるので、伊東選手の考えを軸にして改善すべきです」

 伊東は「ゴール前のパスは合う時は合うので」とも言っている。実際、後半に南野拓実がヘッドでゴールを狙ったシーンは、シュートの精度さえ良ければ得点になっていた。河治氏は言う。

「伊東選手のコメント(最後のクオリティ)は金言じゃないですけど、みんなが心に刻んで欲しいです」

 11月、日本はW杯アジア最終予選でいずれもアウェーでインドネシア(15日)、中国(19日)と戦う。フィニッシュの局面でクオリティの高さを示したい。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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