「ゆれながら咲く花〜学校2013〜」

今年9月に35歳の誕生日を迎え、その"誕生日パーティへの招待"と題されたファンミーティング「2024 LEE JONG SUK Birthday Party in Japan "Invitation"」が話題を呼んだイ・ジョンソク。かつてSM ENTERTAINMENTの練習生だったこともあり、ファンミでは日本語曲や主演ドラマのOSTを披露するなど自身の魅力を存分にアピール。俳優デビュー14年目を迎える今も、"新・韓流四天王"の1人として日本でも抜群の人気を誇っている。

そんな彼の俳優人生において大きなターニングポイントとなったのが、2013年に初めて主演した「君の声が聞こえる」と、同年、スター俳優の登竜門としても知られるKBSの人気ドラマ「学校」シリーズ第5作「ゆれながら咲く花〜学校2013〜」への抜擢だ。

イ・ジョンソクのナイーブな高校生役が熱い支持を集めた「ゆれながら咲く花〜学校2013〜」

(C)KBS

とりわけ「ゆれながら咲く花〜学校2013〜」では、孤独や切なさ、後悔、友だちへの情がないまぜになった深みある演技を披露しているジョンソク。このKBSの「学校」シリーズからは、1999年放送のシリーズ第1作に出演したチャン・ヒョクを皮切りに、その後もイ・ドンウクやチョ・インソン(第2・3作)、コン・ユ(第4作)、ナム・ジュヒョク(第6作)...と、その後の韓国エンタメ界を支える錚々たる顔ぶれを輩出してきたことでも知られている。

そんな人気シリーズにジョンソクが出演したのは23歳の時。「検事プリンセス」(2010年)で俳優デビューし、その直後に出演した「シークレット・ガーデン」が大ヒット。若手スターとして頭角を現し始めていた時期だ。

「ゆれながら咲く花〜学校2013〜」

(C)KBS

ジョンソクが演じた高校生コ・ナムスンは、暗い過去を抱えた無口なキャラクター。将来の夢も語らず、不良に絡まれても抵抗せず、心を閉ざしたまま高校生活を終わらせようとしていたが、胸の内には負い目の感情が渦巻いていた...。

そんな彼が抱える事情と本来の姿が露わになる"引き金"の1つとなったのが、他校から転校してきた高校生パク・フンス(キム・ウビン)の存在だ。頭はいいが素行が悪く、危険な雰囲気をまとったフンスは、実はナムスンと深い因縁がある。生活態度の悪いフンスが退学の危機に陥ったことをきっかけに2人の過去が明かされ、ナムスンが冷たく心を閉ざす理由も見えてくる。

「ゆれながら咲く花〜学校2013〜」

(C)KBS

熱い友情で結ばれていたはずなのに、不幸な出来事で分断されてしまった2人の絆...。押し殺した複雑な感情を眼差しで表現するジョンソクの演技には深みがあり、終盤、友だちを想う気持ちを爆発させる彼の姿に胸が締め付けられる。

ジョンソクとウビンが見せた熱いブロマンスは注目を集め、放送後、人気が高騰した彼らは揃って大手ビール会社のCMにも起用されたほど。その後も長くプライベートで友情を温めている様子で、現在でも時折、仲睦まじい姿をSNSにアップし話題を集めている。

「ゆれながら咲く花〜学校2013〜」

(C)KBS

学生同士のいじめや暴力、さらには教師の悩みや葛藤といった社会派なテーマも盛り込まれた本作には、他にも優等生の副委員長・ハギョン役でパク・セヨン、男子顔負けのいたずらっ子・ガンジュ役でリュ・ヒョヨンなど、フレッシュなキャスト陣が集結。

さらに、「童顔美女」(2011年)に続いて2度目のタッグとなるラブコメ女王チャン・ナラ&チェ・ダニエルのコンビが見せる熱い教師像も抜群の好感度を獲得し、青春学園ドラマでありながら中高年世代の幅広い支持を集めた。

「ゆれながら咲く花〜学校2013〜」

(C)KBS

本作のヒットを機にその名が一躍ドラマファンに知れ渡り、注目スターの座に駆け上ったジョンソクは、同年放送された初主演ドラマ「君の声が聞こえる」の反響も相まって、2013年は受賞ラッシュの1年に。その後の「ピノキオ」(2014年)や「W-君と僕の世界-」(2016年)の大ヒットや現在の爆発的な人気ぶりは言わずもがなだが、この機会に、彼の原点ともいうべき煌めきをぜひ堪能してほしい。

文=酒寄美智子

放送情報【スカパー!】

ゆれながら咲く花〜学校2013〜
放送日時:2024年11月12日(火)2:00〜
※毎週(火)(水)2:00〜
チャンネル:KBS World
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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