「10年で2倍以上」庶民の味・たこ焼きどうなる!?タコが価格高騰…100gあたり507円で初めてマグロ超え 海外需要で品薄状態に

写真拡大

庶民の味「たこ焼き」が、タコの価格高騰により手が届きにくいものになる可能性が出てきている。タコの価格は10年で2倍以上に上昇し、現在は100gあたり507円でマグロの499円を超えた。海外需要の増加や輸送費の影響で品薄状態が続いているためだという。

たこ焼きに影響するタコの“価格高騰”

大阪グルメの代表格で、庶民の味として人気の「たこ焼き」が、なかなか手が出ないものになるかもしれない。

本場大阪の有名たこ焼き店が集まる、東京・お台場の「たこ焼きミュージアム」では、日本人だけでなく外国人観光客もパクリ。ベルギーから観光で訪れた家族は、アレンジ風味のチーズフォンデュ味を食べていた。

ベルギーからの観光客:
日本の食事を子どもたちに食べさせたかったから、たこ焼きにした。子どもたちは日本は初めてです。

アメリカからの観光客:
ベリーグッド!前に食べたものとは全然違う。とても柔らかくておいしい。

こうしてインバウンド需要が高まる中、いま原材料のタコの価格が高騰している。総務省の統計では、都区部のタコの小売価格は、100g507円でマグロの499円を初めて超える高さとなっている。

東京・葛飾区にある創業15年のたこ焼き店「たこ焼き 長尾」を取材すると、冷凍庫には仕入れたばかりのタコがズラリと並んでいた。その量は100kgで、仕入れ価格は大体20万円だという。しかし、10年前の仕入れ価格は違っていた。

たこ焼き 長尾・長尾誠司店長:
(10年前は)10万円切ってましたね。輸送費入れて10万円切っていた。今はもう輸送費、自分が動いて20万円ぐらい。

タコの価格は、2倍以上になっているという。

たこ焼き 長尾・長尾誠司店長:
冷房、今壊れてます。業者呼んだらいくらって言われるのが怖くて呼んでないです。「20万円かかります」って言われたら大打撃。エアコン直すのは、涼しくなってきたから来年の春でいいやって。

年明けにかけてタコのニーズ高まる

タコの価格がここまで高騰している理由について、都内にある鮮魚店の店主はこう話す。

丸川水産・渡部正和店長:
海外でも需要があるようですから、その辺で品物が少なくなってきた。アメリカの方とかにも結構いっているみたいです。

これから年明けにかけては、タコのニーズが高まる時期でもある。

丸川水産・渡辺正和店長:
お正月はタコは無くてはならない縁起物ですからね。その中で値段が上がるのは、ちょっとお客さんも厳しい…。

庶民の味として親しまれてきたタコが、やがては高級食材になるのだろうか。そうはならないことを祈るばかりだ。
(「イット!」10月29日放送より)