兵庫県知事選あす告示、最多7人立候補の見通し…県政の立て直しが争点
兵庫県の斎藤元彦前知事(46)の失職に伴う知事選は31日、告示される。
再選を目指す斎藤氏と、前同県尼崎市長の稲村和美氏(51)、参院議員の清水貴之氏(50)、医師の大沢芳清氏(61)ら新人6人の計7人が無所属での立候補を予定している。斎藤氏のパワハラなどの疑惑を巡る内部告発問題で混乱した県政の立て直しが争点になる。投開票は11月17日。
斎藤氏は9月19日、一連の問題で県議会から全会一致で不信任決議を受け、同30日に自動失職した。県政に混乱を招いた責任を認めつつ、「改革を止めてはいけない」と主張。「コミュニケーションを密にして職員との信頼関係を再構築したい」と訴える。
稲村氏は「知事が客観的な調査をせずに告発者捜しをしたことは問題」と、斎藤氏の対応を批判。斎藤県政は市町との連携が不足していたとして、各首長と積極的に交流することを掲げる。立憲民主党県議4人のほか、県議会(定数86)最大会派の自民党県議団(37人)の一部が支援する。
清水氏は、斎藤県政が「県民の不信感を広げた」と指摘し、職員との意思疎通を積極的に図るなどとしている。第2会派の維新県議団(20人)から出馬要請を受けたが、「幅広い支持を集めたい」として維新を離党し、公認や推薦も受けない考えだ。
大沢氏は、内部告発への県の対応について「間違っていたのは明らか」と主張。「混乱を正して県政を正常化していきたい」と訴える。共産党の推薦を受ける。
このほか、ニュース分析会社社長の木島洋嗣氏(49)が29日、立候補を表明。レコード会社経営の福本繁幸氏(58)、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57)も出馬の意向を示している。
立候補を表明していた元同県加西市長の中川暢三氏(68)と元経済産業省官僚の中村稔氏(62)は29日にそれぞれ記者会見し、出馬を断念することを明らかにした。中川氏は理由について「選挙の構図をシンプルにしたい」と述べた。
兵庫県知事選で7人が立候補すれば、2021年の前回の5人を上回り、過去最多となる。