スポニチ

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 第49回社会人野球日本選手権大会に出場する日本新薬は、新人ながら高原侑希内野手(22)が遊撃の定位置を獲得。堅実な守備とともに状況に応じた打撃で、チームの勝利に貢献する。

 「自分の役割は守備からリズムをつくることです。まずは守備の意識を持ってやっています。打席ではまず塁に出ることを心がけています」

 福井工大福井から法大を経て今春入社。法大では4年で二塁のレギュラーを獲得し、春の慶大1回戦では先制の決勝3ランを含む7打点の活躍を見せた。日本新薬では、都市対抗予選終了後から本格的に遊撃に挑戦。板倉健人コーチのノックで基礎を固め、今秋の日本選手権近畿地区予選では全3試合で遊撃としてスタメン出場を果たした。

 9番打者としてバットで貢献したのが、日本製鉄瀬戸内との3回戦だった。1点を追う6回先頭で、初球の内寄りスライダーを強振することなくコンパクトに振り抜き左前打。新人の一打で活気づいた打線はそこからつながり、2点を奪って逆転勝ちした。攻守に安定感のある働きに、鎌田将吾監督は「新人らしからぬ雰囲気がありますし、野球に対してすごくまじめで熱心。9番は裏の1番打者。日本新薬の今後を背負えるような選手です」と賛辞を惜しまなかった。

 これまでの野球人生では不思議と全国大会に縁がなかった。高原は来たるべき日本選手権を見据え、言葉に力を込める。

 「1年目らしくアグレッシブにプレーしながら、日本一になるための火付け役となりたい。まだまだ上手くなれるイメージがある。来年はドラフト指名されるように頑張りたい」

 日本新薬硬式野球部の公式サイトに記したファンへのコメントは「日本新薬の起爆剤になれるように頑張ります」。有言実行の時がまもなく訪れる。