◆米大リーグ ワールドシリーズ第1戦 ドジャース6×―3ヤンキース=延長10回=(25日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が25日(日本時間26日)、ワールドシリーズ第1戦の本拠地・ヤンキース戦に「1番・指名打者」でフル出場し、5打数1安打だった。チームは延長10回に劇的なサヨナラ勝ちで、第1戦を制した。1点を追う延長10回2死満塁でフリーマンが右翼席へ逆転のサヨナラ満塁本塁打を放った。

 大谷は試合後のNHK BSのインタビューで「本当に最高のホームランで、最高の勝ち方を1戦目に持ってこられたと思う。(右翼フェンス直撃の二塁打は)いい打席だったんじゃないかなと思う。1アウトで三塁まで行けたのは大きかったと思う。両先発ともにすばらしい立ち上がりで、うちが後半、ああいう形で最後持って行けたので、ピッチャー陣含めて素晴らしい勝ちだったと思います。最終回、ギャビン(ラックス)のフォアボールからつなぐ形で、初戦いい形で勝てたので、またあしたいい勝ち方ができるように頑張りたいです」と興奮を隠せず、第2戦へ向けて「この流れをあしたにもっていけるようにまた頑張りたいと思います」と意気込んだ。

 大谷はヤンキースの先発・コールに対し、初回先頭の1打席目は、初球の外角95・8マイル(約154・2キロ)直球をはじき返し、飛距離373フィート(約114メートル)の大きな当たりだったが、ジャッジに捕球されて中飛。3回2死走者なしの2打席目は、カウント2―2から内角低めのナックルカーブに手が出て空振り三振を喫し、1点を追う6回無死二塁の3打席目の好機も、遊ゴロに打ち取られた。

 1点を追う8回1死走者なしの4打席目には、右翼フェンス直撃の二塁打でシリーズ初安打を放ち、相手の守備の乱れもあって三塁に進み、同点のホームを踏んだ。データサイト「Baseball Savant」によると、ヤンキースタジアムやエンゼルスタジアムなど30球団の本拠地のうち、4球場であればホームランという当たりだった。1点を追う延長10回1死一、二塁では左邪飛に倒れた。

 試合は、序盤はヤンキースのコール、ドジャースのフラーティと両先発右腕が好投。フラーティは5回まで、3者凡退は4回の1イニングだけだったが走者を背負いながら要所を締めながら5回までは無失点。ジャッジからは3打席連続三振を奪った。コールは2回から3イニング連続で3者凡退。4回までは両軍とも得点を奪えなかった。

 試合が動いたのは5回裏。ドジャースは1死からE・ヘルナンデスが右翼へ三塁打を放つと、続くスミスの右犠飛で先取点を奪った。だが、ヤンキースは直後の6回に先頭のソトが中前安打で出塁すると、1死一塁でスタントンが左翼へ高々と上がった逆転2ラン。4試合連続弾となる一発で試合をひっくり返した。ドジャースは継投に入り、2死満塁のピンチを背負ったが、2番手左腕・バンダがバードゥーゴから空振り三振を奪って切り抜けた。

 ドジャースは1点を追う6回無死二塁で大谷、ベッツ、フリーマンが凡退。7回は無死一、二塁からE・ヘルナンデスがバントを成功させて1死二、三塁のチャンスを作ったがスミス、ラックスが凡退し、1点が遠かった。それでも8回には1死走者なしから大谷が右翼フェンス直撃の二塁打。相手の守備の乱れもあって三塁まで進むと、続くベッツの中犠飛で追いついた。

 9回は2死二塁でソトを申告敬遠で歩かせ、ジャッジとの勝負を選び、トライネンが遊飛。ピンチを切り抜けると、延長に突入した。延長10回表にヤンキースが1点を一度は勝ち越したが、ドジャースは2死満塁でフリーマンが今ポストシーズン初本塁打となる劇的なサヨナラ満塁本塁打。パドレスとの地区シリーズ、メッツとのリーグ優勝決定シリーズに続いて第1戦の白星発進となった。第2戦は山本由伸投手(26)が先発する。