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 誰も想像できない領域へ――。日本ハムからドラフト1位指名を受けた福岡大大濠の最速149キロ右腕・柴田が、福岡市の同校で指名あいさつを受けた。打者としても高校通算19発の逸材は「自分の可能性を評価されている。やりたいプレースタイルをプロ野球でできたらいい」と決意を新たにした。

 球団から巣立ったドジャース・大谷と同じ右投げ左打ち。メジャーの試合の映像も頻繁に見ているといい、投手ではパドレス・ダルビッシュの配球を、打者では大谷を参考にしている身長1メートル87の18歳は「大谷選手は凄い存在。自分も近づけたら」と球団のレジェンドOBたちへの憧れを抱く。

 この日のあいさつに訪れた栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)は、教え子の大谷との共通点に「野球を凄く楽しそうにやる」ことを挙げたが、一方で「二刀流」の枠を超える可能性を口にした。

 「僕らが見たことないような新しい形をやってくれると信じている。例えばずっと遊撃手で出て、抑えもやりながら大事な試合で先発しちゃう、みたいな」。大谷もやったことがない遊撃手、主軸打者、先発、抑えの「四刀流」の夢を掲げた。

 栗山CBOからは、メッセージを書いた昨年のWBC公式球が贈られた。「世界をひっくり返してほしい」との願いを込め、ボールの反対の面にそれぞれ上下逆さまに「誰も知らない新たな野球の一ページを作ろう」と「夢は正夢」と記されていた。

 くしくも、新庄監督が現役引退を発表した06年4月18日生まれの右腕は「球界を代表する選手になりたい」と決意。無限の可能性を、自ら切り開く。(田中 健人)