SpaceXやテスラのCEOでありXのオーナーでもあるイーロン・マスク氏は、かつてSNSでプーチン大統領にウクライナを賭けて一騎打ちを挑んだことがあります。これが縁となったのかは不明ですが、マスク氏は2022年後半からプーチン大統領と連絡を取り合う仲になっていることを、The Wall Streel Journal(WSJ)が報じています。

Elon Musk’s Secret Conversations With Vladimir Putin - WSJ

https://www.wsj.com/world/russia/musk-putin-secret-conversations-37e1c187



Musk’s huge Starlink satellite business is a big reason he’s so all in for Trump - The Washington Post

https://www.washingtonpost.com/technology/2024/10/24/musk-trump-starlink-satellites-election/

Musk has been in contact with Putin, Russian officials since 2022, WSJ reports

https://kyivindependent.com/musk-putin-wsj/

2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻した際、ウクライナでは通信インフラが使えなくなることが懸念されましたが、マスク氏はただちにStarlinkを当時サービス対象外だったウクライナで使えるようにしました。

イーロン・マスクの指示で衛星インターネット「Starlink」がウクライナであっという間に利用可能に - GIGAZINE



by Tim Reckmann

2022年3月には、プーチン大統領に一騎打ちを挑んでいます。

イーロン・マスクがプーチン大統領に一騎打ちを挑む、勝者がウクライナを総取り - GIGAZINE



こうした動きからは、マスク氏はウクライナを支援する立場を取っているように見えましたが、2023年に入ってウクライナ軍がStarlinkを偵察・攻撃目的のドローンのインフラとして使用していることがわかると、SpaceXはStarlinkにドローンを制御できないような変更を加えました。この際、SpaceXは「Starlinkは人道的な用途で使われることを目的としており、攻撃のために使用させることは意図していなかった」と説明しています。

そして2023年夏になると、マスク氏がロシアのウラジーミル・プーチン大統領と個人的に連絡を取っていることが報じられました。

イーロン・マスクがロシアとウクライナ間の戦争で大きな影響力を持っているとの指摘 - GIGAZINE



by Steve Jurvetson

2024年2月には、ロシア軍がStarlinkを前線で利用していることが報じられています。

ロシア軍がSpaceXの衛星インターネット「Starlink」をウクライナとの戦争の前線で使用していると報じられる - GIGAZINE



マスク氏は2022年10月に「プーチン大統領と話したのは2021年4月ごろの1度だけ」とXに投稿していましたが、今回、WSJは関係者からの証言により、マスク氏が2022年後半からプーチン大統領と連絡を取り合っていたと指摘しています。

さらに、マスク氏はプーチン大統領から、「台湾は領土の一部」と主張する中国政府に配慮して、台湾ではStarlinkのサービスを提供しないようにと要請されているともWSJは述べています。

この件について、マスク氏はコメントせず、アメリカの当局者は「関知していない」と述べたとのこと。また、ロシア政府はマスク氏と連絡を取った事実はないと否定したとのことです。