スポニチ

写真拡大

 巨人に1位指名された瞬間に花咲徳栄・石塚裕惺に笑みがこぼれた。憧れの「YG」マークの帽子をかぶった石塚は、さらに笑顔を輝かせ「昔からジャイアンツファンだったのでうれしいです」と力を込めた。

 家族の影響で幼少期から大の巨人ファンだった。特に同じ遊撃を守っていた坂本が憧れの存在だ。東京ドームに観戦に訪れた際に「華がある。格好いい」と一瞬でファンになった。幼稚園の卒園時には父の康直さんと宮崎キャンプを訪問するなど、一挙手一投足を追った。「一緒に野球ができるのは本当に不思議な気持ち。シャイなので不安なんですけど、勇気を出して話してみたい」と目を輝かせた。一足早く、職場見学も済ませていた。

 ドラフト3日前、巨人がDeNAに敗れたCSファイナルステージ最終戦を友人とともに東京ドームで現地観戦。「雰囲気を凄く感じられた。ああいう大勢の人がいる前でプレーしたい」と早くもイメージを膨らませた。

 巨人の高卒内野手の1位指名は14年の岡本和以来、10年ぶり。高校通算26発の大砲を西武との外れ1位の抽選で引き当てた阿部監督は「将来は坂本勇人みたいな選手になってほしい。ちょっとこの子は格が違うなと評価していた」と評価する。坂本は高卒2年目に遊撃のレギュラーに定着しており「(今季の)浅野も2年目から使うチャンスを与えてきた。石塚君もよければ1軍でチャレンジさせたい」と先輩たちと同じく、10代での1軍定着への期待を口にした。

 名前の「裕惺」に含まれた「惺」の字には「星のように輝くスター選手になれるように」との父の思いが込められている。「いずれは3割、30本打てるようなチームの主軸バッターに育っていきたい」。巨人の星に――。大きな志を抱き、世代No・1遊撃手がプロの門を叩く。(花里 雄太)

 ≪高校生7選手、大学4選手指名≫巨人は支配下で5選手、育成で6選手を指名した。高校生7選手、大学4選手の内訳だった。水野雄仁スカウト部長は「(1位の石塚は)将来的にやってくれる選手かなと評価していました。1〜3位は内野手を指名したことに「二遊間を厚めにしたいということの現場の意見がありましてそれでいきました」と振り返った。