「全日本さば連合会」広報担当サバジェンヌこと池田陽子さんによる「サバジェンヌが行く〜至福の鯖百選〜」第90回目となる今回は、サバグルメの祭典「鯖サミット」をご紹介。イベントの見どころをサバジェンヌがお教えします!

全国のサバグルメが福井県美浜町に集結!

全世界のサバファンのみなさば! お待たせしました! サバグルメの祭典「鯖サミット」が開催されますよー! 10月26日(土)、27日(日)、「鯖サミット in 美浜 2024」(主催:はまなびフェスタ2024・鯖サミット2024 in 美浜実行委員会 特別協力:一般社団法人鯖協会、全日本さば連合会)が福井県美浜町で開かれます! サバンザイ!

「鯖サミットin美浜2024」は、福井での2回目の開催となる

全国の多彩なサバ料理が楽しめる、鯖サミット。2014年から毎年、秋に産地およびサバに力を入れている地域を巡回して開催、毎年数万人の来場者で大にぎわい!

鯖サミットは毎回、サバファンが日本各地から押し寄せる(鯖サミットin若狭おばまの風景)

8回目を迎える今年の開催地は、昨年の新幹線開通で注目を浴びている福井県。ええ、福井県といえば「サバ」! 今回は鯖街道を有する若狭地方に位置し、「へしこ」(サバのぬか漬け)で知られる美浜町での開催です。

「鯖サミット in 美浜 2024」には、北は青森から、南は長崎まで27ブースが集結。焼き鯖、鯖寿司、しめさば、サバ干物、サバ缶、サバサンド、サバカレー、サバラーメン、サバコロッケにサバメンチなどなどありとあらゆるサバグルメがずらりと一同に会するという、サバパラダイス!

さらに、ステージではサバ関係者によるトークショー、我らが! サバンドによるライブなどなど、食べて、見て、知って楽しいめくるめくサバらしい1日が過ごせる。

サミットですから、サバ関係者によるトークショーも実施
全さば連のサバニスト小林とロッキー松尾からなる「サバンド」。『サバンドバイミー』『サバデーナイト』などの名曲(?)を熱唱!

そんな鯖サミットに登場するサバグルメのなかから、福井県若狭地方の逸品をご紹介!

「サバのへしこ」に熱視線

サバが古来より郷土料理として身近な福井県若狭地方。「行き腐れ」といわれるほど足がはやいサバの鮮度保持のために、独自の加工技術が発達。代表的なものが「サバのへしこ」。この地域ならではの保存食で、独特の旨みがクセになる味わい。ご飯にも、酒の肴としても最高の一品!

美浜といえば、へしこ!

美浜町は、若狭の中でもとくにへしこづくりが盛ん。なにせ、2019年6月に「美浜のへしこ」として地域団体商標登録をしているほど!  へしこの仕込みは秋から冬の間に行われ、完成までに約1年を要する。

とにかく町はへしこ一色。へしこのポスター、のぼりがいたるところに掲げられた「へしこワールド」! キャラクター「へしこちゃん」も大活躍!

へしこちゃん。「ゆるキャラアワード2009」で大賞受賞。全身でへしこを体現

そんな美浜のへしこは、ほかのエリアにはない特徴がある。へしこは、一般的に塩とぬかだけで作られることが多いが、美浜は醤油、みりん、酒粕、トウガラシなど各家庭よって秘伝の隠し味を使っている。

美浜では、へしこは珍味ではなく、日々の食卓にもあがるお惣菜。毎日食べても飽きないように工夫されているのだ。

その味わいは、たしかに食べやすくてひと口食べるともうひと口、と止まらなくなるおいしさ。「鯖サミット」で、毎回1番に完売御礼になるのは美浜のへしこ!

鯖サミットには1回目から出店している美浜町。最高のへしこスマイルでおもてなし!

今回は、美浜へしこ組合が出店。美浜中の多彩なへしこが楽しめるといういわば「へしこサミット」状態! へしこラバーなら悶絶すること間違いなし!

へしこ未経験者も、ごはんも日本酒も無限になるというとんでもないサバグルメのトリコになってくれたまえ!

伝統と革新が交差するサバグルメ

■福井県若狭町『Saba Cafe(サバカフェ)』の「サバサンド」

福井県若狭町『Saba Cafe(サバカフェ)』の「サバサンド」

「鯖街道」の宿場町である若狭町「熊川宿」近くに位置する『サバカフェ』。看板メニューのサバサンドが登場! こんがり揚げた脂のりバツグンのサバを、たっぷりのオニオンスライスとともに自家製ソフトフランスでサンド。

味の決め手は「特製マヨネーズ」。隠し味として使われているのは「柑なんば」。若狭町産「獅子ユズ」と、小浜で育てた唐辛子などを合わせたピリッと辛い新感覚のユズみそを加えたものだ。

カリふわなパン、香ばしくジューシーなサバ、ピリッと爽やかなゆずが効いたソース、甘みのあるオニオンスライスが一体化して見事なサバーモニー!! ボリュームいっぱいに見えるけれど、とってもさわやかな後味。ガブリ! ガブリ! とおいしく食べ進められるサバサンド、必食ですよー。

■福井県若狭町『大良屋(だいらや)』の昆布へしこ

『大良屋』の「昆布へしこ」

若狭町・遊子(ゆうし)海水浴場そばにある、『民宿だいらや』は若狭湾の海の幸を使った食事も人気の宿。3代目の田邊広一さんが仕込むへしこは、祖父から受け継いだ製法をベースに工夫を重ねたもの。

『大良屋』の「昆布へしこ」

500年以上の歴史を持つ「国嶋清平商店」(福井市)の麹、創業約450年という昔ながらの「天然醸造醤油」を製造する「室次醸造所」(福井市)の醤油、さらに美浜町で300年以上の歴史をもつ三宅彦右衛門酒造「早瀬浦」の酒粕をブレントという「老舗オンパレードすぎる」ぬか床に、昆布とともにサバをつけこむ。サバの旨みが引き立つマイルドな味わい、まろやかな甘みで、一度食べると忘れられない逸品!

■福井県小浜市『田烏(たがらす)なれずし工房』の「鯖へしこのなれずし」

『田烏(たがらす)なれずし工房』の「鯖へしこのなれずし」

平城京の木簡にも記されていたという歴史ある料理「鯖のなれずし」。小浜市東部に位置する漁村集落・田鳥地区では今も、おもに冬に味わう郷土料理として作り続けられている。

その貴重な食文化の保存、継承に取り組んでいるのが、地元有志で結成された『田烏なれずし工房』。 田烏地区のなれずしの仕込みはじつに手間がかかる。

まず1年かけてへしこを作り、さらにそれを塩抜きして皮をむき、ご飯と麹を詰め込んで約10日間樽に漬け込み完成。その味わいはまろやかで爽やかな酸味と甘みがあり、まるで「海のチーズ」のよう! ジェンヌはシャンパンや白ワインとともに楽しむのが大好き!!! ぜひお試しを! へしこも販売しています。

寿司でも焼きでもよし! まだある注目サバグルメ

■福井県高浜市『UMIKARA(うみから)』の「吟醸トロさば焼き鯖寿司」

『UMIKARA(うみから)』の吟醸トロさば焼き鯖寿司

高浜漁港に面した、体験型フィッシュマーケット『UMIKARA』。2021年にオープン、獲れたてシーフードや加工品の販売、多彩な魚メニューが楽しめる食堂やテラスがある人気スポットだ。

「UMIKARA吟醸トロさば」は、レストランでも定食で提供されている人気商品。へしこを漬け込んだ糠からあふれ出た「熟成出汁」にサバを漬け込んで仕上げる。

サバの旨みにへしこの旨みと、旨みの2乗といいいますか、もう100乗!! 炸裂する「旨みの嵐」(涙)。もはや「旨み爆弾なサバ」! しかも焼くとしっとり、ふっくら。へしこのポテンシャルに改めて腰を抜かす想い! 今回はなんと焼き鯖寿司に仕上げての登場。毎月開催されるイベントでも人気の「サバの串カツ」や、一夜干しサバ、桜干しサバなどの干物も販売している。

■福井県敦賀市『島屋』の「火山灰干し干物・鯖」

『島屋』の「火山灰干し干物・鯖」

敦賀を中心とした約60店舗の水産業者が軒を連ねる、日本海側最大級の海鮮市場「日本海さかな街」(敦賀市)。その中で高い人気を誇るのが『島屋』。看板商品は「火山灰干し干物・鯖」。その名の通りひと塩したサバを特殊なセロファンフィルムで包んで、「火山灰に埋める」という製法で仕上げた干物だ。

火山灰が魚の余分な水分とクセを吸収。そして外気に触れることがないため、脂の酸化が少なく、上質な脂と凝縮した旨みのある干物に仕上がるのだ。焼いても身が縮まず、もっちり肉厚。噛むと上品な旨みが広がり、ジュワジュワと麗しい脂がほとばしる! 火山灰の起こした奇跡の「うまジュワ」、ぜひ、購入してしかと堪能を!

■『魚や(うおや)野村』の「浜焼き鯖」

『魚や(うおや)野村』の「浜焼き鯖」

若狭で一般的なサバの食べ方としてあげられるのが、サバを1尾まるごと豪快に串に刺して焼いた「浜焼き鯖」。その日の朝、水揚げされたばかりの新鮮な魚介類が並ぶ『若狭小浜お魚センター』でも、迫力ある浜焼きサバが並んでいる。

若狭小浜お魚センター内にある『魚や野村』は、小浜魚商協同組合の理事長を務める野村浩さんが営む鮮魚店だ。長年の経験で培った技で、肉厚でバリっと脂がのったサバをじっくり丁寧に焼き上げた浜焼き鯖は、満足度250%! こんがりパリッと焼けた皮は香ばしく、身はふっくら。地元では必ず添えられるという、しょうが醤油をつけて食べると箸が止まらない!

■福井県小浜市『若廣』の「焼き鯖すし」

『若廣』の「焼き鯖すし」

「鯖街道」の起点である小浜市を拠点に、日本各地で店舗を展開する『若廣』。看板商品は「焼き鯖すし」。焼き立てでも、冷めてもおいしい焼きサバを使った棒寿司は羽田空港「空弁」で、5年連続売上第1位! 百貨店の催事でも大好評。サバファンにも絶大な人気を誇る逸品だ。

脂のりバツグン、大型のノルウェー産サバを厳選。職人がサバをおろすところから始まり、焼き、巻きまで一貫してこだわりぬいて完成! いつ見ても黄金色に輝く「若廣ゴールド」が美しい! その味わいは香ばしく焼き上げてあるのに、身はふっくら。

鯖寿司は、焼きサバをシャリにのせればいい、というものではない。若廣では「鯖、シャリ、具材」のバランスを追求、黄金比を導き出している。焼き鯖に、福井県産コシヒカリを使用した絶妙な塩梅の酢飯、具材として使われるしょうが、大葉の完璧な「三位一体」で、焼き鯖寿司を食べる喜びにあふれた絶品だ。

美浜、若狭、そして日本各地のサバグルメをとことん味わう「サバらしい」1日を過ごしにぜひお越しください! ジェンヌもトークショーで司会を務めます。待ってまーす!

■「鯖サミット2024 in 美浜」
[⽇時]10⽉26⽇(⼟)10時〜16時、10⽉27⽇(⽇)10時〜16時
[会場]美浜町⽣涯学習センターなびあす周辺特設会場(福井県三⽅郡美浜町郷市29−3)
[交通]JR小浜線美浜駅から徒歩10分
https://38summit.jp/

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https://x.com/38summit

取材・撮影/池田陽子
全日本さば連合会広報担当 サバジェンヌ/薬膳アテンダント。サバを愛する消費者の集まりである「全日本さば連合会」(全さば連)の広報を担当。日本各地のサバ情報の発信、サバ商品のPR、商品開発等を行う。北京中医薬大学日本校を卒業、国際中医薬膳師資格を持ち、薬膳アテンダントとしても活動。水産庁「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」認定メンバー。著書に『サバが好き!〜旨すぎる国民的青魚のすべて』(山と渓谷社)、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)など。全さば連HP:http://all38.com/