お米が高くなっていると聞きましたが、実際どれくらい「値上がり」しているのでしょうか?今後も高くなるようなら「買いだめ」した方がいいでしょうか?

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令和5年から令和6年にかけて、米の価格が上昇し「令和の米騒動」とも呼ばれました。供給不足の際には、スーパーで米を買いだめする人が増えたため、購入できなかった方もいるでしょう。 米が今後も値上がりするのであれば、今からでも買いだめをした方がよいのかと悩む方もいるかもしれません。今回は、米がどれくらい値上がりしたのか、また買いだめは必要か、についてご紹介します。

米はどれくらい値上がりしている?

農林水産省の「令和5年産米の相対取引価格(速報)」によると、玄米60キログラムあたりの相場は、令和5年9月時点で1万5291円でした。しかし、令和6年1月時点では1万5358円、令和6年8月時点では1万6133円と、徐々に値上がりしています。銘柄ごとに見た場合も、多くの銘柄で値段が上昇傾向にあります。
さらに、農林水産省の「米をめぐる状況について」の資料によると、令和5年7月時点で民間の購入数量は前年比100.9%と上昇したのに対し、同年同月の民間在庫量は前年比マイナス20万トンでした。令和6年5月時点では民間の購入数量が前年比109.4%なのに対し、民間在庫量はマイナス40万トンです。
民間の購入需要が増えているにもかかわらず、在庫量が減っていることから、米の値段が高騰したと考えられます。

米は買いだめした方がよい?

米は精米をしていない状態なら、1年ほど保管できるとされています。しかし、精米後の米をおいしく食べられる期間は1ヶ月程度です。スーパーやコンビニでは、精米後の米が売られているケースが多いため、1ヶ月分以上購入すると、味の落ちた米を食べることになります。
以下の条件で、1ヶ月に必要な米の量を計算してみましょう。

・ごはん茶碗1杯分(150グラム)を1日2回食べる
・1ヶ月を30日とする

農林水産省では、ごはんの重さを求める計算式は「米の重量×2.2~2.3」としています。基準値を2.2として計算すると、ごはん2杯分300グラムに必要な米の量は、約137グラムです。毎日食べる場合は「137グラム×30日」のため、4110グラムの米が必要になります。
一人暮らしなら4~5キロの米を購入しておけば、1ヶ月の消費量としては十分でしょう。一方で、念のためにと5キロの米を4袋購入した場合は、15~16キロ分の米をおいしく味わえないことになります。
仮に、A社の「5キロで税込み2646円」の米を購入したとしましょう。4袋購入すると1万584円ですが、計算上はそのうち3袋がおいしく食べられる期限を過ぎてしまうため、7938円分が無駄になる可能性もあります。
どうしても米を多く保管しておきたい場合は、購入量を増やすのではなく、米に雑穀や芋を混ぜるなどして使用量を減らす方がおすすめです。
なお、米を保存する場所は冷蔵庫内が理想とされており、冷蔵庫が使えない場合は台所の床下収納など涼しい場所が推奨されています。米を購入する際は、保管場所があるかも考えてからにしましょう。

値上がりはしているものの、米は買いだめし過ぎない方がよい

令和5年度から6年度にかけて、米の価格が上昇しました。供給量に対して需要が増えたことが要因と考えられており、令和5年9月と令和6年8月を比較すると、玄米60キロあたり841円高くなっています。
価格が高くなると、つい買いだめをしたくなる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、精米後の米をおいしく食べられる期間は1ヶ月とされています。必要量以上に購入すると、おいしい米を食べられなくなる可能性があります。
米の買いだめはせずに必要な量のみを購入する方が、結果的に美味しく食べられるでしょう。
 

出典

農林水産省 米の相対取引価格・数量、契約・販売状況、民間在庫の推移等
農林水産省 米をめぐる状況について ① 我が国における米の状況 米の販売数量及び民間在庫の推移(14ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー