大谷翔平、ついにワールドシリーズへ!空中戦なら「ドジャース圧倒的有利」の可能性が高いワケ
韓国での開幕シリーズから7か月。2024年のメジャーリーグはついに頂上決戦を迎える。
12チームが出場したポストシーズンは10チームが脱落。今年のワールドシリーズは、ヤンキースとドジャースによるリーグ最高勝率チーム同士の対決となった。
◆過去の「世界一回数」はヤンキースが圧倒的
古豪ヤンキースのリーグ優勝はこれが41回目。世界一はこれまで27回を数える。もちろんどちらの数字もメジャー最多だ。
一方のドジャースはナ・リーグ最多となる22回目のリーグ優勝を飾ったが、ワールドシリーズでは過去7勝14敗と大きく負け越している。
ちなみに両者の対戦は、1981年以来、実に43年ぶり。ドジャースがブルックリンに本拠地を置いていた時代も含めて、過去11回の対戦があるが、ヤンキースが8勝3敗とドジャースを圧倒している。久々となる名門同士の対決だけに、世界からも注目を浴びることは間違いない。
◆両者の“ポストシーズンの戦いぶり”の違い
両者の今ポストシーズンをざっと振り返っておくと、ヤンキースは地区シリーズでロイヤルズを3勝1敗、リーグ優勝決定シリーズではガーディアンズを4勝1敗でそれぞれ破り駒を進めてきた。合算の成績は7勝2敗だが、9試合すべてが3点差以内という接戦続きだった。まさに息の抜けない激戦を制してきたといえるだろう。
一方でドジャースは、パドレスとの地区シリーズを3勝2敗、メッツとのリーグ優勝決定シリーズを4勝2敗で制した。地区シリーズでは、パドレスに王手をかけられたものの巻き返しに成功し、勢いに乗った。
ヤンキースと大きく異なるのは、一方的な展開が多かったことだろう。メッツとの6試合はすべて4点以上の差がついており、試合終盤までもつれる展開はほとんどなかった。
◆空中戦になる可能性が高い理由
リーグ優勝決定シリーズで極端な戦いぶりを見せた両者は、ワールドシリーズで果たしてどんな戦いを見せるのか。ここからは“本塁打”に焦点を当てて、2024年の頂上決戦を展望していきたい。
今ポストシーズンで目立っているのはやはり本塁打の多さだろう。特に勝ち上がってきた両者は、ドジャースが11試合で20本、ヤンキースが9試合で13本を記録している。
ただ、この2チームから多くの本塁打が飛び出すのは想定通りだ。大谷翔平、アーロン・ジャッジといった各リーグを代表するスラッガーが所属していることに加えて、それぞれの本拠地球場(ドジャースタジアム、ヤンキースタジアム)がともに本塁打が出やすいことも大きい。
球場の特徴を示す「パークファクター」という指標があるのをご存じのファンも多いだろう。本塁打以外にも、得点の入り易さや二塁打の出易さなど、項目ごとに数値化されている。
2022〜24年の過去3年間において、最も本塁打が出やすい球場は、レッズのグレート・アメリカン・ボールパーク。そして、これに2位で続いたのがドジャースタジアム、そして3位がヤンキーススタジアムだった。つまり、今年のワールドシリーズは、メジャーの中でもかなり本塁打が出やすい球場で行われることになる。
◆空中戦なら“ドジャース有利”の可能性が高いワケ
本塁打が乱れ飛ぶ“ホームランシリーズ”になれば、ドジャースがかなり有利といえるかもしれない。というのも、今ポストシーズンでドジャースは9人が本塁打を放っているが、うち7人が2本以上をマークしており、決して大谷に頼りっぱなしの打線ではないことを証明しているからだ。
一方のヤンキースは6人が本塁打を放っているが、2本以上はジャンカルロ・スタントン、フアン・ソト、そしてアーロン・ジャッジの中軸3人だけ。試合数が2試合少ないとはいえ、ドジャースに比べるとやや物足りなさを感じさせる。
◆勝負のカギとなるのは…
ドジャース投手陣とすれば、中軸の3人を重点的に対策すれば、致命的な大量失点を防げるかもしれない。
逆にヤンキースの投手陣は大谷とムーキー・ベッツの1〜2番も然ることながら、トミー・エドマンやマックス・マンシーといった脇役にも気を配る必要がある。リーグ優勝決定シリーズで絶不調だったテオスカー・ヘルナンデスが第6戦で2安打を放ったことも見逃せない。
中軸だけならヤンキース打線の方が豪華といえるが、1番から9番まで抜け目のない打線は間違いなくドジャースの方だろう。
現地時間25日(日本時間26日)にドジャースタジアムで開幕する今年のワールドシリーズは、史上空前の空中戦になる可能性が極めて高い。果たしてどちらのチームが打ち合いを制することになるだろうか。
文/八木遊
【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。
12チームが出場したポストシーズンは10チームが脱落。今年のワールドシリーズは、ヤンキースとドジャースによるリーグ最高勝率チーム同士の対決となった。
◆過去の「世界一回数」はヤンキースが圧倒的
古豪ヤンキースのリーグ優勝はこれが41回目。世界一はこれまで27回を数える。もちろんどちらの数字もメジャー最多だ。
ちなみに両者の対戦は、1981年以来、実に43年ぶり。ドジャースがブルックリンに本拠地を置いていた時代も含めて、過去11回の対戦があるが、ヤンキースが8勝3敗とドジャースを圧倒している。久々となる名門同士の対決だけに、世界からも注目を浴びることは間違いない。
◆両者の“ポストシーズンの戦いぶり”の違い
両者の今ポストシーズンをざっと振り返っておくと、ヤンキースは地区シリーズでロイヤルズを3勝1敗、リーグ優勝決定シリーズではガーディアンズを4勝1敗でそれぞれ破り駒を進めてきた。合算の成績は7勝2敗だが、9試合すべてが3点差以内という接戦続きだった。まさに息の抜けない激戦を制してきたといえるだろう。
一方でドジャースは、パドレスとの地区シリーズを3勝2敗、メッツとのリーグ優勝決定シリーズを4勝2敗で制した。地区シリーズでは、パドレスに王手をかけられたものの巻き返しに成功し、勢いに乗った。
ヤンキースと大きく異なるのは、一方的な展開が多かったことだろう。メッツとの6試合はすべて4点以上の差がついており、試合終盤までもつれる展開はほとんどなかった。
◆空中戦になる可能性が高い理由
リーグ優勝決定シリーズで極端な戦いぶりを見せた両者は、ワールドシリーズで果たしてどんな戦いを見せるのか。ここからは“本塁打”に焦点を当てて、2024年の頂上決戦を展望していきたい。
今ポストシーズンで目立っているのはやはり本塁打の多さだろう。特に勝ち上がってきた両者は、ドジャースが11試合で20本、ヤンキースが9試合で13本を記録している。
ただ、この2チームから多くの本塁打が飛び出すのは想定通りだ。大谷翔平、アーロン・ジャッジといった各リーグを代表するスラッガーが所属していることに加えて、それぞれの本拠地球場(ドジャースタジアム、ヤンキースタジアム)がともに本塁打が出やすいことも大きい。
球場の特徴を示す「パークファクター」という指標があるのをご存じのファンも多いだろう。本塁打以外にも、得点の入り易さや二塁打の出易さなど、項目ごとに数値化されている。
2022〜24年の過去3年間において、最も本塁打が出やすい球場は、レッズのグレート・アメリカン・ボールパーク。そして、これに2位で続いたのがドジャースタジアム、そして3位がヤンキーススタジアムだった。つまり、今年のワールドシリーズは、メジャーの中でもかなり本塁打が出やすい球場で行われることになる。
◆空中戦なら“ドジャース有利”の可能性が高いワケ
本塁打が乱れ飛ぶ“ホームランシリーズ”になれば、ドジャースがかなり有利といえるかもしれない。というのも、今ポストシーズンでドジャースは9人が本塁打を放っているが、うち7人が2本以上をマークしており、決して大谷に頼りっぱなしの打線ではないことを証明しているからだ。
一方のヤンキースは6人が本塁打を放っているが、2本以上はジャンカルロ・スタントン、フアン・ソト、そしてアーロン・ジャッジの中軸3人だけ。試合数が2試合少ないとはいえ、ドジャースに比べるとやや物足りなさを感じさせる。
◆勝負のカギとなるのは…
ドジャース投手陣とすれば、中軸の3人を重点的に対策すれば、致命的な大量失点を防げるかもしれない。
逆にヤンキースの投手陣は大谷とムーキー・ベッツの1〜2番も然ることながら、トミー・エドマンやマックス・マンシーといった脇役にも気を配る必要がある。リーグ優勝決定シリーズで絶不調だったテオスカー・ヘルナンデスが第6戦で2安打を放ったことも見逃せない。
中軸だけならヤンキース打線の方が豪華といえるが、1番から9番まで抜け目のない打線は間違いなくドジャースの方だろう。
現地時間25日(日本時間26日)にドジャースタジアムで開幕する今年のワールドシリーズは、史上空前の空中戦になる可能性が極めて高い。果たしてどちらのチームが打ち合いを制することになるだろうか。
文/八木遊
【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。