東山紀之

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“直結”を選んだ理由

 キャスターの雰囲気や実力が「視聴率」に直結する、過酷な「ニュース&情報番組」戦争。秋の改編期の目玉は有働由美子(55)をメインに据えた、テレ朝の新番組「有働Times」。そのあおりを受けそうなのが「やめたい」報道のあの人で……。キャスターたちの明と暗。【前後編の前編】

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 通常、民放テレビの番組と番組の間の切れ目にはCMが放送される。しかし、10月6日に始まったテレビ朝日系の新番組「有働Times」は違った。前の番組「ポツンと一軒家」が20時56分に終わると、CMを挟まずにそのまま、アメリカの「グランドサークル」の雄大な風景の中に立つ有働由美子の映像に切り替わったのだ。

東山紀之

「前の番組からCMを挟まず次の番組に“直結”すると、CMの間に視聴者に逃げられないので、その分、視聴率が高くなる。『有働Times』はテレ朝の早河洋会長の肝いりでスタートした番組なので失敗が許されない。だから“直結”を選択したのでしょう」

 と、テレビ局関係者。

「有働さんはNHK紅白歌合戦の司会も務めていて知名度があり、最近はバラエティー番組にも出演し親近感もある。そのため、テレ朝としては主力の50代から70代だけではなく、10代から40代までのコア視聴者も見てくれるのではないかと考え、三顧の礼をもって迎えたわけです」

「完全な“有働ショー”」

 この番組の“裏”、日本テレビ系では二宮和也が出演する「ニノさん」の特番が放送されたが、その背景には、

「『有働Times』をつぶしにいく、という日テレの意図が見えます。有働さんは同局の『news zero』を自らの都合で降板し、現在は『with MUSIC』の司会を務めていますが、視聴率は壊滅的な状況。そんな中、テレ朝で新しい番組を始めた彼女を許せない、ということなのでしょう」(同)

 さまざまな面で今回の改編期の注目度ナンバーワンだった「有働Times」。肝心のその中身はというと、

「有働さんが女王として振る舞う、完全な“有働ショー”でしたね。映像がスタジオに移り、テレ朝政治部官邸キャップの千々岩森生氏や元テレ朝社員の玉川徹氏、元ビーチバレー選手の浅尾美和さんが共演者として紹介された時は、あまりに顔ぶれがさえないのでガクッときました」

 民放のプロデューサーはそう語る。

「たださすがは有働さん、安定感がある上、ニュースの分析などが薄っぺらいのでむしろ見やすかったです。彼女に任せておけばそこそこ数字は出るだろうというテレ朝のもくろみは成功したのではないでしょうか」

 しかし、先のテレビ局関係者によると、

「『有働Times』の初回は世帯視聴率こそ10.8%と、裏の『ニノさん』に勝ちましたが、広告を出す企業が重視する個人視聴率とコア視聴率では負けでした」

“東山さんが戻る場所がなくなった”

 テレ朝では日曜夜だけではなく朝の時間帯にも変化があった。毎週日曜朝に放送されていた情報番組「サンデーLIVE!!」が9月29日で終了。平日の情報番組「グッド!モーニング
」がこの枠でも放送されることになった。「サンデーLIVE!!」は2017年、東山紀之(58)をメインキャスターに起用してスタートした番組である。

「昨年秋、東山さんが旧ジャニーズ事務所の性加害問題の被害者への補償業務を行う会社の社長に就任し、番組を降板。その後は局アナがメインを務めていました。東山さんは補償業務が終了し、会社が解散したあかつきには芸能活動を再開する可能性もある、とみられていますが、番組が終了したことで、“東山さんが戻る場所がなくなった”と社内では言われています」(テレビ朝日関係者)

「言い出したのは陣内さん側からだと思う」

 改編期には番組のキャスターやコメンテーターの入れ替えも行われる。元バドミントン五輪代表の陣内貴美子(60)は、番組開始から約14年半もの間キャスターを務めてきた日本テレビ系「news every.」を去った。

「“木原さん、そらジロー!”と陣内さんが呼びかける姿がもう見られないかと思うと寂しいです」(コラムニストの吉田潮さん)

 陣内と親交がある、放送作家でコラムニストの山田美保子さんによると、

「降板を言い出したのは陣内さん側からだと思います。今後は少しお休みといった感じでしょうか。とはいえ、バドミントン協会の仕事や、ご主人が経営されている飲食店の女将(おかみ)としての仕事もあります。『news every.』では、3月までキャスターを務めていた藤井貴彦アナ(52)を“お父さん”、陣内さんを“お母さん” と呼んでいました。二人がいなくなり、これから大変だと思います」

 後編【「宮根さんが辞めたがっているのは本当」 「ミヤネ屋」終了の可能性は? 「月2ペースで理由なく休んでいる」】では、宮根誠司が看板番組「ミヤネ屋」を辞めたがっているといううわさについて詳しく報じている。

「週刊新潮」2024年10月17日号 掲載