広島戦で同点弾を挙げた福田。今季9得点目で、ふた桁ゴールに王手をかけた。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

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 10月19日、湘南ベルマーレはJ1第34節でサンフレッチェ広島とホームで対戦。2−1で勝利した。

 この一戦で貴重な同点弾を叩き込んだのは福田翔生だった。0−1で迎えた48分、茨田陽生の右からのクロスの跳ね返りを福田が左足で丁寧に合わせてネットを揺らした。

 32節の鹿島アントラーズ戦以来、2試合ぶりのゴールを決めた福田は、得点シーンを次のように振り返る。

「0−1にされても、焦りはなかったです。1点取れば自分たちの流れになるのは分かっていたので、まずは同点に追いつくためのゴール、そこにフォーカスしてプレーした結果です。シュートの場面は、ボールが不意にこぼれてきた形でしたが、思いのほか冷静でした。絶対に決めてやる、という想いが得点につながったと思います」
【動画】福田翔生の貴重な同点ゴール!
 広島戦の得点は今季9点目。自身初のJ1ふた桁ゴールに王手をかけた23歳は、残りのリーグ戦4試合への意気込みを語る。

「ふた桁ゴールというのは当然、意識しています。ただ、今の目標は、チームとしてひとつでも上の順位に行くこと。自分の得点やチームのJ1残留というよりも、上を目ざす意識のほうが強いし、それはチームのみんなも同じだと思う。ここからも変わらず1試合1試合、全力で戦っていきます」

 福田の同点弾で流れに乗った湘南は、90+2分の田中聡の得点で逆転に成功。試合後に発表されるクラブ公式MOMは殊勲弾の田中だったが、プレスや起点作成のために献身的に戦い続けた福田の存在感は格別だった。

 広島戦で“影のMOM”というべき活躍を見せた福田が、次節以降も湘南がさらに順位を上げるための鍵を握りそうだ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)