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 俳優の西田敏行さんが東京都内の自宅で死去したことが17日、分かった。76歳だった。訃報を受け、芸能界や各界から悲しみの声が上がっている。

 女優の米倉涼子は、自身が主演を務める人気ドラマシリーズテレビ朝日系「ドクターX」で西田さんと共演。8日に都内で行われた映画「劇場版ドクターX」(監督田村直己、12月6日公開)の完成報告会見もともに出席していた。

 米倉は自身のSNSで「西田さん 突然の訃報に接し、言葉もありません…」と追悼。「一昨日写真をのせるからね!と話したばかりなのに」と直前まで会話していたことを告白。訃報の約1時間前には西田さんとの食事中の2ショットをストーリーズに投稿していたばかりだった。

 また、北野武(ビートたけし)も公式サイトを通じ追悼。西田さんは北野武(ビートたけし)が監督・脚本・主演を務めた「アウトレイジ」シリーズ2作目「アウトレイジ ビヨンド」(2012年)、3作目であり完結編の「アウトレイジ最終章」(2017年)に出演した縁があり、「西田さんの体調がよくないことは知っていたので、ずっと心配していたけど、悲しいことになってしまった。がっくりしています。本当にいい役者だった」と、その功績を称えた。

 ドラマ「西遊記」シリーズで共演したタレントの堺正章は「大きな存在を失いました。猪八戒、沙悟浄、三蔵法師もみんな天竺へ旅立ちました。私もいずれその旅に参加します」などとコメントした。

 公私で仲の良かった歌手・武田鉄矢は「いくつもの思い出が西田敏行さんにあります。その思い出はどれも色鮮やかで、みな日差しに輝く西やんの笑顔の思い出ばかりです。あなたがどれほど素敵な人だったか、これからくり返し、くり返し思い出します」と追悼した。

 女優の倍賞千恵子は「びっくり。言葉もない」と突然の別れにショックを隠せず。「ご冥福をお祈りいたします」と悼んだ。西田さんが主演を務めた1986年公開の映画「植村直己物語」で夫婦役を演じるなど、親交が深かった。

 俳優の佐藤浩市は「三代続いてお世話になった西田さん、彼方で三國と昔話に花を咲かせてください」などと映画「釣りバカ日誌」シリーズで西田さんと名コンビだった父・三國連太郎さんと息子で俳優の寛一郎にも触れてしのんだ。

 俳優の渡辺謙は「西田敏行さんが旅立たれた また大好きな先輩を失った」と悲痛な思いを吐露。「アウトレイジビヨンド」共演の俳優・中野英雄は「西田敏行様 貴方に憧れて憧れて 俳優のお仕事を選びました、共演するまで25年掛かりました アウトレイジビヨンドの一度だけです 震えて芝居したのを覚えます」と記した。

 歌手で俳優の木村拓哉は自身のSNSで「西田さん ご逝去の報に接し心から哀悼の意を捧げます」としのんだ。2007年放送のTBS系「華麗なる一族」や15年放送のテレビ朝日系「アイムホーム」など数々のドラマや映画で共演した。

 女優の綾瀬はるかは「大河ドラマや映画でご一緒させていただきましたが、どっしりとしているけれど、やさしく軽やかで、頼もしい大先輩でした」などとしのんだ。

 西田さんの演技は、多くの俳優に影響を与えた。映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「大怪獣のあとしまつ」で共演したHey!Say!JUMPの山田涼介や女優・中江有里、俳優のピーターこと池畑慎之介、女優の渡辺真起子らが思い出を振り返った。

 俳優業のみならず、歌手活動やバラエティー番組出演、司会者と幅広く活躍した西田さん。芸人からの信頼も厚く、「次長課長」河本準一やほんこん、山本高広、柳原可奈子ら多くのお笑いタレントからも悲しみの声が。

 また西田さんが2代目局長を務めたABCテレビの人気番組「ナイトスクープ」関係者も訃報を受け、悲しみの声を挙げた。お笑いタレントの松村邦洋はラジオ番組で追悼し、放送作家を務めた百田尚樹氏やスリムクラブ・真栄田賢がSNSで故人への思いを馳せた。

 西田さんは2008年に、芸術や文化、スポーツ、学術研究の分野で功績のあった人に贈られる紫綬褒章を受章。作家の村山由佳氏や小説家でタレントのいとうせいこう、元芸能リポーターの井上公造氏や演歌歌手・丘みどりら、ジャンルを問わず各界から惜しむ声が上がった。

 西田さんは1947年(昭22)11月4日、福島県出身。67年にTBSドラマ「渥美清の泣いてたまるか」でデビュー。70年に青年座に入団し「情痴」で初舞台を踏んだ。主な出演作はドラマ「西遊記」「池中玄太80キロ」、映画「敦煌」「ゲロッパ!」など。「釣りバカ日誌」シリーズは88〜09年まで22作に主演。歌手として「もしもピアノが弾けたなら」などでNHK紅白歌合戦に4回出場した。