「まだ使えるかも」「もったいない」と感じ、なかなかものが捨てられない…。そんなときにおすすめの方法を紹介します。整理収納アドバイザー・三條凛花さんによると、普段不便に感じていることに当てはめて活用法を考えると、暮らしの悩みが解決するきっかけになったり、処分も潔くできるようになるそうです。詳しく語ります。

いただきもののタオルを「銭湯に行くとき専用」に

出先で「家に忘れてきてしまった」と焦ったり、室内で「今ここにこれがあれば便利なのに…」と思ったことはありませんか? そんなときこそ、捨てられずに困っているものを活用してみましょう。

【写真】残しておきがちな紙袋の活用術

あるとき、内祝いでいただいたペアのバスタオルとフェイスタオルセット。わが家では洗濯の負担を減らすためにバスタオルは使いません。フェイスタオルも家族ごとに色を統一して決まった数だけ持ち、劣化するまでは増やさないようにしています。ですが、家での使い道はなくても、気持ちのこもった贈りものを捨てることはしたくありませんでした。

そこで、このタオルは月に1〜2回、家族で銭湯へ行くとき用のタオルとして活用することにしました。

銭湯に行くときは買い出しや子どもの習い事のあとなので、急いでいるのに準備するものが多く困っていました。その悩みも、このタオルを含め銭湯に持ち込むものすべてを100円ショップのバッグに収納し、銭湯セットをつくることで解決。このように、用途が決まったらほかの関連アイテムとセットにしておくのもポイントです。

普段は使用しないけれど、「銭湯専用タオル」という役割を設けて持ち続ける理由をつくったことで、捨てる罪悪感がなくなり、困っていた問題も解決しました。

無料の「クリアファイル」で、プリント整理がラクに

「面倒でつい先延ばしにしてしまうこと」から、活用法を考えるテクニックもあります。

年に数回行われる子どもの保護者会や懇談会。毎回大量のプリントをもらいますが、帰宅後に読み返して整理するのがとても面倒でした。

そこで、おまけでもらったクリアファイルに、「提出」「迷い中」「残す」「捨てる」の4つのラベルをつけて管理することに。こうすると、その場で読みながら仕分けしていくことができます。

帰宅後は「提出」と書かれたファイルの中身から優先して取りかかるだけ。「捨てる」は中身をそのまま捨てればいいし、「迷い中」「残す」もそれぞれ決めておいた保管場所に戻すだけで大丈夫です。以前は帰宅後にひとつひとつプリントを読み直していましたが、余ったクリアファイルのおかげで、大幅な時短につながりました。

なお、この4つのファイルは小学校や幼稚園の行事、参観日、懇談会に行くときに持参するアイテムをまとめた「学校用バッグ」に収納。ほかにもネームプレートや筆記用具、上履きなどを入れています。行事に参加する前は、このバッグの中から必要なものを選別してすぐに出かけられるので、とても便利です。

紙袋アレンジで「ゴミのちょい置き」問題を解決

不要品が「散らかりやすい場所」の片づけに役立つケースも。家の中で散らかりやすい場所にはいくつか特徴がありますが、そのひとつが「近くにゴミ箱がないこと」。ついゴミをちょい置きしてしまうので、なかなか片づかないのです。

そういった散らかりやすい場所に、大きめの紙袋を数回内側に折り込んでつくった簡単なゴミ箱を設置します。折り込むことで強度が出るし、汚れたら捨てやすいのもうれしいポイントです。

わが家では寝室のほか、買ったものを開封するリビングの一角や、分別するべきゴミの置き場所がない2階の洗面所などで使用しています。

ゴミ箱が欲しいと思っても、デザインやサイズ、手入れのしやすさまで満たす理想のゴミ箱がなかなか見つからず、「いつか買おう」と思っている間にどんどん散らかってしまうことも。そういうときに、紙袋を一時的なゴミ箱として使うのはおすすめです。

じつは、私は「汚部屋」出身です。今振り返ると、片づけられなかったいちばんの理由は「もったいなくて捨てられない」罪悪感でした。一度捨ててしまえば身軽になる感覚はとても気持ちがいいものです。しかし、最初の1つを捨てる勇気を出すのが、なによりも難しくて…。

もし捨てることがつらいと感じるなら、無理に処分しなくても大丈夫。このように、最初の一歩を「別の使い道を考える」にしてみませんか? 今回ご紹介した3つのアイデアを参考にすれば、新しい使い道が見つかりやすくなるはず。まずは使い道をじっくり考えて、思いつかなければ、そこで初めて「捨てる」を選ぶ。このように、2段階でものと向き合う方法を試してみてください。