旧ジャニーズ性加害問題 誹謗中傷で死亡の男性遺族が東山社長に疑念「お会いしたことも謝罪を受けたことも...」
旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.=スマイルアップ)の創業者・故ジャニー喜多川氏による性加害問題をめぐって、9月に解散した「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の元メンバーである志賀泰伸さん、長渡康二さん、中村一也さんが2024年10月9日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見を開いた。
旧ジャニーズ事務所は23年9月7日に会見を行い、ジャニー氏による性加害を事実と認めた。
それから1年がたった今の思いについて語り、誹謗中傷で亡くなったメンバーの遺族の手紙を代読した。
「寄り添っている風に見せかけて自分たちの保身しか考えていない」
志賀さんは「事実認定されている旧ジャニーズ性加害問題が風化の一途をたどっていると感じております。この世界的児童性加害大事件の風化はさせない。私と同じ思い、経験をさせてはならない。未来ある子どもたちを守るために、私たちは声をあげ続けます」とコメント。
また旧ジャニーズ事務所について、23年10月2日に行った会見以降、会見が開かれていないことを指摘。「状況が決まり 次第適時記者会見を行うと言ってたじゃないですか。あまりにも不誠実ではありませんか」と怒りをにじませた。
長渡さんも旧ジャニーズ事務所に会見を求め、さらに誹謗中傷対策の甘さを指摘した。
中村さんは、山中で死亡していたと23年11月に報道されたメンバーだった男性の遺族の手紙を代読。遺族は手紙の中で「ジャニーズ事務所は被害者に寄り添っている風に見せかけて自分たちの保身しか考えていないように思います」と批判した。
さらに、次のように訴えた。
「BBCでも東山(紀之)さんが『遺族の方と連絡を取らせてもらっています。小さなお子様もいらっしゃるということで』と語られていましたが、1度もお会いしたこともお話ししたことも謝罪を受けたこともありません。『小さなお子様』ではなく東山さんの娘さんと同世代の思春期の子どもです。『子どもの頃に辛いことを経験するのは成長の糧になると僕は思っています』と話されていましたが、子どもの頃の性被害で今も苦しんでいる人が多い中、辛い経験が成長の糧になるという発言はおかしいと思います。救済する立場としてもう少し配慮ある言葉にしてほしいです」
BBC番組で東山社長は何を語ったか
スマイルアップ社長の東山氏は24年2月、BBCの取材を受けた。記者「サバイバーが被害を公表したところ世間の大勢からうそつき呼ばわりされオンラインで誹謗中傷されその結果自死された方がいるのはご承知と思います。その方の遺族とは連絡をとっていますか」と問われると、次のように答えていた。
「取らさせていただきました。これは僕にとっても大変つらく悲しいことでもありましたし、お子さんもいらっしゃったということなので、その気持ちは大変重く受け止めてはいます」
遺族が主張した「小さなお子様」がいるという発言や「子どもの頃に辛いことを経験するのは成長の糧になると僕は思っています」という発言は、放送された番組からは確認できなかった。