大勢の観光客が訪れる函館山展望台

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 賃貸住宅大手の大東建託(東京)が初めて実施した「いい部屋ネット自治体ブランドランキング2024」で、北海道函館市が全国1位となった。

 回答者18万人を超える大規模なブランド調査で、イメージの良さ、認知度の高さ両方で、高い評価を受けた。2位は金沢市(石川)、3位札幌市、4位鎌倉市(神奈川)、5位神戸市(兵庫)で、上位には国内有数の観光地が並んだ。外国人観光客に人気の京都市は14位だった。

 調査は今年2〜3月、全国47都道府県(対象1890自治体)に住む20歳以上の男女18万3727人を対象に実施。調査では、1人あたり10か所の居住地以外の自治体をランダムに示し、「住んだことがある」「住んだことはないが訪れたことがある」「良いイメージがある」「悪いイメージがある」「聞いたことがある程度で特にイメージはない」「名前も聞いたことがない」の六つの選択肢から当てはまるものを回答してもらい、割合を算出した。

 各自治体に対するイメージDI(良いイメージがあるという回答比率から悪いイメージがあるという回答比率を引いたもの)と、認知率を掛け合わせることで出た値を「ブランド偏差値」とし、そのランキングを作成した。

 函館市は815人が回答し、うち「良いイメージ」が52・6%、「悪いイメージ」0・9%でイメージDIは51・8%。認知率は全国トップクラスの91・0%で、ブランド偏差値は124・6となり、2位の金沢市を0・4ポイント上回った。

 今回の調査に関わった麗沢大の宗健教授は「函館は60歳以上の訪問率が43・9%と高い一方、20〜39歳の訪問率は約20%と低かった。函館を訪れたことのある高齢者の楽しかったという過去の記憶の蓄積が1位の背景にあるのではないか」と分析した上で、「若年層の評価が低いのは中長期的に見ると、今後順位を下げていく可能性がある。ブランド力を維持するためには、観光関連業者の努力と、それを後押しする行政の力が必要だ」と話した。

 北海道内の市町村でベスト50に入ったのは、このほか、10位に小樽市、11位富良野市、42位旭川市、43位釧路市、49位帯広市だった。