〈石破新内閣の”最重量閣僚”〉「寿司を飲んでたぞ!」安倍元首相を“国賊”とブッタ斬った村上総務大臣(72)「巨大化のワケ」と「懸念される健康状態」

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新たに発足した石破内閣において、その“象徴”ともいわれるのが、総務相に就任した村上誠一郎氏(72)だ。2022年、安倍晋三元首相の国葬を巡って、安倍氏を「国賊」と評し、党から1年間の役職停止を食らった党内きっての「反安倍勢力」のひとり。また、石破茂首相をも凌ぐ巨漢ぶりが異彩を放ち、「政界の小錦」の異名を取る異端の政治家のリアルな素顔を徹底取材した。

【画像あり】30年前、今よりスリムだったからの村上誠一郎議員

自称“自民党唯一のリベラル”

愛媛県北東部。瀬戸内海をのぞみ、江戸時代には今治城の城下町として栄えたのが、今治市だ。

瀬戸内工業地域の一角を占め、造船業に加え、「今治タオル」のブランドが広く知られているこの街で、1986年の衆院選での初当選から実に38年の長きにわたって村上氏は議席を守り続けている。

「やることはやるし、とにかくウソがない人やわ」

村上氏の人柄をこう評するのは、今治市議会のある重鎮市議だ。

「本人は自民党唯一のリベラルって言って頑張っとる。性格は一旦決めたら曲げんのやな。金融と財政と、もう同じことをずっと言っとる」

東大法学部を卒業後、河本敏夫元通商産業相の秘書から国政入りを果たした村上氏は2004年9月、第2次小泉改造内閣で行政改革担当相として初入閣した。

過度な財政出動に慎重な姿勢を崩さず、2016年に安倍元首相が翌年の消費増税の延期を決断した際には、「首相が言ったらすべて従うのか」と猛反発。

自民党税調会長として消費増税を巡って安倍元首相と対立した野田毅元自治相とともに「脱アベノミクス」を掲げるグループを立ち上げて波紋を呼ぶなど、「財政規律派」の立場を貫いている。

安倍元首相との遺恨はこれにとどまらず、2013年11月の特定秘密保護法案の採決では体調不良を理由に議場から退席。「憲法を有名無実化する」などと訴えて党内で唯一反対し、政敵であるはずの日本共産党の機関紙「赤旗」でも取り上げられる異例の事態となった。

その仕事ぶりは地元市議も絶賛

こうして「党内野党」を地でいく村上氏について、前出の市議は「理想論を掲げて政治をやってきたんやな、理想に向かってるんやけど、現実にはなかなか方向的には難しいんやないかな」と苦笑交じりに言う。

ただ「自民党の枠内やなしに、野党に対しても同じ考えならきちんと協力するし、モノもはっきり言う感じやね。今治は海運造船の街になったけど、海運造船業界は村上さんにだいぶ頼っとるところあるんじゃない?」と見た目どおりの剛腕ぶりと地元での影響力を評価。

さらに「やることはやるし、とにかくウソがない人やわ」と孤立することもおそれない反骨精神と切れ者ぶりにも太鼓判を押す。

市議がさらにこう続ける。

「自分がこうと決めたらテコでも動かん感じで。誰彼なしに捕まえて、論戦を仕向ける感じやね。あと、立候補のときとか、必ずグラフとか折れ線とかの入ったデータをどんどん出してきて、画面に映しながらこうでああでって演説するんですわ。

財政やなんかでも年代別に出して、きちっと理論立てて解説して、5年10年先を見据えてきちんと数字を出しながら訴える。今まで数多くの国会議員を見てきたけど、あの人みたいに理論立ててやる人は見たことない。ああいう人はいないね」

 他の自民党系の市議も、「もう40年くらい応援しよって、東大も出とるし総理大臣になるかと思っとった。ちょっと変わったとこがあるけど、ブレない芯のある、はっきりと物は申す人や。

今は石破総理に近いけど、石破さんがだめなときもきちっと物は申すんじゃなかろうか」と期待を寄せる。

“寿司を飲む”ほどの巨漢で心配される健康状態

一方、永田町で存在感が際立つのは、その弁舌やブレない政治姿勢ばかりではない。「110キロ超」といわれる巨漢ぶりも異彩を放つ。

「気づいたときにはデカかった」と振り返るのは、今治市に住む村上家と長年交流のある支援者。国政に初挑戦したときから政治家としての歩みを見てきたこの支援者は、村上氏の〝巨大化〟の事情をこう慮る。

「初当選(1986年)のときは痩せていたみたいなので、議員になってからいろいろあったんじゃないかと思います。たぶんストレスだと思いますね。やっぱり議員っていろいろ大変だし。

ストレスあると食べちゃう人と喉通らなくなる人に分かれるけど、彼は食べちゃうタイプじゃないかな。まぁあの体型見てもらったらわかると思いますが、昔からびっくりするくらいよく食べる人でした。

この間も、なじみの寿司店のオヤジが『寿司を飲んでたぞ!』って(笑)。もう寿司を飲み込むようにバクバク食べてたみたいで」

前出の市議も、「あれでもずいぶん痩せられたほうで、一時期はもう歩けないくらい太っていた。杖もついて、もう立っておられんくらい太って。今はだいぶ体重減らしたよ」と打ち明ける。

国会では、巨体を支えるために一時は両手に杖をついて移動していたが、心配なのは体調面だ。永田町では、国会議員としての激務に加え、標準体重をはるかにオーバーした肥満からくる病気の懸念も取り沙汰されるが……。

「健康状態は?」と問うと、支援者は声を潜めてこう明かす。

「誰にも言わないんですよ。内臓とかっていうよりは膝が悪い。歩くのがしんどいのは間違いない」

膝に爆弾を抱えながらも政治家としての信念を貫き、ついに党の「主流派」として入閣を叶えた村上氏。地元からも活躍を期待する声が高まっている。

間近に迫った衆院選を勝ち抜き、屋台骨として石破政権を支えきることができるか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班