広島はこのまま逃げ切れるか。写真:永島裕基

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 今季のJ1リーグもいよいよ残り6節。優勝争いはおそらく3位まで、1位のサンフレッチェ広島(勝点62)、2位のヴィッセル神戸(勝点61)、3位のFC町田ゼルビア(勝点59)に絞られた印象があるだろう。

 数字上は4位の鹿島アントラーズ(勝点50)、5位のガンバ大阪(勝点50)も逆転優勝の可能性を残すものの、白星から見放されている現状でそれを成し遂げるのはかなり厳しい。なので、ここでは上位3チームに絞って今後のスケジュールをチェックしつつ見どころも探る。

 まず、上位3チームの日程は以下のとおりだ。ちなみに、この3クラブでの直接対決は消化済で残されていない。
 
<広島>公式戦は残り「11試合」
10/3 ACL2節 vs東方(A)
10/6 J1第33節 vs磐田(A)
10/19 J1第34節 vs湘南(A)
10/23 ACL3節 シドニー(H)
11/3 J1第35節  vs 京都(H)
11/7 ACL4節 vsシドニー(A)
11/10 J1第36節 vs浦和(A)
11/28 ACL5節 vsカヤ(A)
12/1 J1第37節 vs 札幌(H)
12/5 ACL6節 vs 東方(H)
12/8 J1第38節 vs G大阪(A)

 国内カップ戦(ルヴァンカップ、天皇杯)で敗れて“超”過密日程ではなくなったが、それでも厳しいスケジュールに変わりない。10月3日からと、11月7日からのアウェー2連戦が大きな山か。12月も3連戦と総合力が問われる日程だ。

<神戸>公式戦は残り「12試合」
10/2 ACL第2節 山東泰山(H)
10/6 J 1第33節 京都(A)
10/18 J 1第34節 FC東京(H)
10/23 ACL第3節 蔚山(A)
10/27 天皇杯準決勝 京都(H)
11/1 J 1第35節 磐田(H)
11/5 ACL第4節 光州(H)
11/10 J 1第36節 東京V(A)
11/26 ACL第5節 CCマリナーズ(H)
11/30 J 1第37節 柏(A)
12/3 ACL第6節 浦項(A)
12/8 J 1第38節 湘南(H)

 天皇杯の準決勝もあり、広島以上にタイトなスケジュールとなっている。ACLの負担が広島と同じく大きく、リーグ戦に集中できない状況がどう出るか。アウェーの連戦がひとつしかないのは救いだが。ちなみに、リーグ戦で不気味な相手は好調の東京勢(FC東京と東京ヴェルディ)か。

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<町田>公式戦は残り「6試合」
10/5 J1第33節 川崎(H)
10/19 J1第34節 柏(A)
11/3 J1第35節 鳥栖(A)
11/9 J1第36節 FC東京(H)
11/30 J1第37節 京都(H)
12/8 J1第38節 鹿島(A)

 カップ戦で敗れたとはいえ、ここにきてリーグ戦に集中できる状況はむしろポジティブ。ただ、残り試合で気になるのは36節のFC東京戦。舞台は町田にとって鬼門の“新”国立競技場で、しかも相手のFC東京はこの聖地で現在9戦無敗である。ダービーマッチは苦戦必至か。
 
 さて、現在の勢いで判断するなら広島と神戸の一騎打ちになる可能性もある。ただ、両チームともACLなどの負担を考えると、今後失速しても不思議はない。よって、リーグ戦に集中できる町田がここから巻き返すシナリオも十分に考えられるだろう。

 もっとも、町田は後半戦に入って失速している。直近の広島戦も力の差を見せつけられての完敗(0-2)。自慢の守備網があっさり破られるシーンも増え、ここまでかとの印象もある。

 そんな町田が逆転優勝をするための条件はまず、次節の川崎フロンターレ戦(10月5日)での勝利になるだろう。ここで勝点3を積み上げ、翌日の10月6日にともにアウェーでリーグ戦を戦う広島と神戸にプレッシャーをかけることができれば、ひょっとしたら奇跡が起きるかもしれない。

構成●サッカーダイジェストTV編集部